シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

今日という一日のために   近藤勝重著

毎日新聞夕刊のコラム「しあわせのトンボ」を加筆修正した本。

男性が生活などを題材にして書いた文章は、正直警戒する面があります。
本人が無意識で取り込んでいるらしい「男尊女卑」が臭いことが多いから。ご本人に全くそのつもりがないのが分かることも多く、余計、「これが女性の生きづらさのベースになっているんだな~」と暗くなることがあります。

が、この方の文章にはそういう臭いがなく、中性的な透明な視点を感じて、素直に読むことが出来ました。
一つ一つのコラムは短いのですが、心に残るものがあって、「しあわせのトンボ」が人気だというのも頷けます。


気に入ったのは、「日常のこまごまとしたこと(料理や掃除)をいつも以上に丁寧にやることで気持ちが前向きになっていった」という女性アナウンサーのお話。
これからどうしよう?と先を決められないことが多いですが、そういう時こそ日常のルーティンを丁寧に、と改めて思いました。
日常を丁寧に送る先に悟りがあるのかもしれない。


もう一つは、高倉健さんのお話に出てきた 酒井雄さいさん(比叡山大阿闍梨)からのことば

「行く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし」