シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

思考の整理学 外山滋比古著

書名通り、「思考の整理法」の本。
種となる考えの断片を忘れずに集める方法、
集めたアイデアを熟成させて、残ったものを集め、
更にしばらく寝かせてから形にしていく作業法や、そのやり方の根拠になっている著者の考え方が目に留まりました。

1983年の本なので、パソコンやスマホを使う方法は全く出てきません。
そういえば、大学生の時、読みたい本を探すのに、図書館のインデックスの引き出しのカードを延々めくったなぁ、と思い出しました。
そういう情報整理はパソコンの普及で楽になりましたね~。

気になる言葉やアイデアをノートにメモしておくのは今でも有用ですが、その整理はパソコンを使うと取捨選択や順序の入れ替え、情報の継ぎ足しも簡単だし、複数のタグをつけておけばすぐに検索できるし、デジタル万歳だな、と感じました。

参考にしたい方法は…
すぐにメモする 
忘れるから、というのもありますが、そのくせ何度も頭に浮かんで脳内を散らかす、というのも私の場合は多くて、気が散るので。・・・大層な論考の種ではなく、○○を買うとか、日常のメモですけど。

寝かせる
これはだいぶ感覚がつかめてきた気がします。
単なる決断先送りなのか、よりよい決定のための熟成なのか、区別できるようになってきました。
焦らず置いておくことも大事にしたいです。

転地療養
同じところに所属し続けるなどすると、立場が固定し、考えも固定していくので、場を変えてみる。
考えも違う視点の中に置いてみる。

違うことをする
一時忘れて無意識化に寝かせておくことも大事なので、全く違うことをやることを著者は勧めていますが、私の場合は、家事やタスク、趣味が滞るとすぐネットサーフィンをだらだら始めるので、その防止に、取り入れたい。

整理する・捨てる
イデアや情報は最初は集めることが大事だが、ある程度集まったあとは捨てること、忘れること、整理することも大事。・・・反論の余地がありません。

なるべく多くのチャンネルをくぐらせる
とにかく書いてみる、推敲して清書何度か繰り返す、声に出して読む、人に話してみる、など、色々な方法を使うと、思考がスッキリまとまっていく。


日頃何となく感じている違和感を著者が文字にしてくれていました。

「われわれの知的活動が、とかく、模倣物であり、真に創造的でないのは、このナマの生活との断絶に原因があるのではあるまいか。
仕事をしながら、普通の生活をしながら考えたことを、整理して、新しい世界を作る。
・・・・中略・・・・
それを単なる着想、思い付きに終わらせないために、システム化を考える。」

私の場合は、上手く”システム化”は出来ていませんが、つたないなりに、ある本を読んだら感想や覚えておきたい内容を書いておくようにしているのは、一助になるかな?という気がしています。
”ナマの生活”でふと感じたことと、本などで得た知識をリンクさせて、消化しやすくなっているのは感じるので。
そうでないと、知識や情報と実生活や生の感覚が徐々に乖離して、本来の目的”生きづらさを減らすための情報収集・思索”とは距離がひらき過ぎて、実生活で利用しにくくなる=役に立たない単なる情報の断片になるのを感じます。