シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

質素であることは、自由であること 有川真由美著

副題:世界でいちばん質素なムヒカ前大統領夫人が教えてくれたこと

ウルグアイの前大統領ムヒカさんの妻で、上院議員でもあるルシアさんへのインタビューと、筆者の思いをつづった本。

ルシアさんはお金持ちのお嬢様だったけれど、政治活動に身を投じ、10年以上投獄されたり、議員になったり、大統領夫人(ファーストレディー)になったり、波瀾万丈の人生を歩んできたそうですが、現在は議員をやり政治活動を続けながら夫であるムヒカさんと農場でシンプルに暮らしているそうです。

言っていることは、どこかで聞いたことがあることと言えばそれまでですが、これまで行動してきたルシアさんが言うと説得力があるのと、やはり、「大事なことは言うは易く行うは難し」だから、何度も違う形でインプットする必要があると思いました。とても読みやすい本でした。


ルシアさんが、生きる意味は自分で探さなくてはいけないし、時代や環境によって変わってくる、と言っていたのが印象に残りました。
「自分で探す」にフォーカスしすぎて、今の自分が置かれた状況の中で自分がどうしたいのか、出来るのかという視点を捨てがちです。「そこは努力で何とかするんでしょ」みたいに。
環境のせいにして、あれもできない、これも無理、と言うのも違うけど、現実も見ないと苦しいだけかも。


私たちは、”いまの自分”だけでは幸せになれないから、自分の外側に幸せを求めてしまう。キョロキョロと「自分を満たしてくれるもの」を探し続ける。
そんな心のクセがあるかぎり、「もっと、もっと」と消費を繰り返したり、まわりの人に、さまざまなことを期待し続けたりする。

この著者の言葉は、耳が痛かったです。
消費を追う愚は身に染みたので徐々に離れつつありますが、他者の反応に期待するのはなかなか手放せずにいます。私の「人が怖い」も、勝手に期待して、勝手に失望して傷つくのが怖いから、も大きいですから。
他者の反応に自分の幸福度を依存させ過ぎるのは不自由と不幸の素。
「あったら嬉しいもの」くらいに構えていられるようになりたいです。その方が楽で幸せだと思うから。
その為には、自分を充実させる必要があるのですが・・・う~ん、そもそも、どういう感覚が”充実””しあわせ””満足”なのかもあやふやなのでした・・・。
きっちり定義する必要はないけれど、何となくのイメージがないと行きたい方向も分からないままになってしまいます。

私の場合は、自分の感覚がよく分からない(感知できない)障害があるので、「こういう感じが好きらしい」とか、「こういう立ち位置なら他人といても苦痛じゃないらしい」とか、経験しながら自己観察するところからかな。幸せ探しはその後についてくる気がします。