シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

曖昧な喪失

決着のつきようがないゆえに、対処の難しい「曖昧な喪失」
私の「曖昧な喪失」は、親なる者、父親、兄 がすぐ思いつきます。
一番整理がついていないのが「父親」です。最近、「彼は精神疾患だということにしよう」と思うようになりました。


私が”曖昧な喪失”している親は、「いわゆる父性・母性を体現している存在としての父親、母親」です。
子供の幸せを願い、見守り、導いていく存在。
生物学上の、子供の時物理的な世話をして育ててくれた親はいますが、心の親はいません。
親は、口先ではわが子の為なら死ねる、と言っていましたが、実際は不幸を願っています。
自分たちの外聞が悪くならない程度に。
「親なら助けるでしょ?」なことでない範囲で。


兄には理由も言わないまま、絶縁されました。今も生きているでしょうが、私の人生からはいなくなりました。
兄が私と絶縁したのは、多分、親とつながりがあるものは全て切る、という余波なのですが、本人に確かめていないので分かりません。私が何かやらかしたのが原因なのかもしれません。
自分が原因なら、謝りたい気持ちもありますが、私は、兄が理由も告げずに突然付き合いを切ったこと・・・そもそも、親の老後は兄が世話することになっていたのに、兄が絶縁すれば、お鉢が回ってくる可能性のある私に親と絶縁したとの報告がないことに腹を立てているので、こちらから理由を聞いてはいません。
今は年賀状を送るのも止めているので、兄が引っ越しているかもわかりません。
(兄が親と絶縁したこと自体は、私はOKです)

この二つは自分でも状況が理解できているので、問題ではありますが、「問題」のファイルに収まっています。


訳が分からないのが父親。
コミュニケーションが取れない、という意味では、認知症が進んだ人と同じかも。
精神疾患だと思わないと、こちらの頭がおかしくなる問答を続けることになります。

「お前は子供の時からミカンが好きだったよな」
「いや、それはお姉ちゃんで、私が好きだったのはリンゴだよ」
「そうそう、お前は好物のミカンを自分の机に隠したのを忘れて、カビさせたことがあっただろう」・・・
(それは誰の話?)


「調子が悪いって言っていたが、どうだ?」
「悪いよ」
「いや~、元気で良かったよ!うんうん、心配していたんだよ!」

まぁ、こういうことがしょっちゅう。
彼は自分の中ですでに問答を作ってしまっているので、こちらの返事が何であろうが関係ないのです。
目の前にいるのに、言葉を交わしているのに、会話にならない。
    それなのに、会話になっていないことが父親には全く分かっていない。
    何だか自分が物体か透明人間にでもなった気分です。四六時中一緒に居たら、
    心を病めること間違いなし。

精神疾患の診断を受けている義兄の方がいいです。義兄は時々つじつまの合わないことを言いますが、基本的には会話は成立します。私が言うことに対する返事をしてくれていると感じられるので、そんなにストレスはないです。あくまでも、たまにしか会わないから、ですけど。
幸い、義兄が別世界に入っているとか、私ではない誰かと話していると感じたことは今のところないです。

「この人が死んだら、自分はどう思うだろう?」と思う時、父親に対しては、「もともと心の交流がない人だから、平気だ」とすぐに結論が出るのは楽でいいのですが、それとは別に、「ここにいるのに、コミュニケーションが成立しない」居心地の悪さは、何とも言えない気持ち悪さです。
経験した人でないとイメージしにくいと思います。
曖昧な喪失という言葉(定義)を得て、あの居心地の悪さはこれでもあったんだな、とまた一つ整理できました。

この場合、失われているのは、彼ではなく、私の方ではないか?と思ったりもします。
私の現状や気持ち・希望に反して、彼の世界から、実は強制退場させられている。それなのに、彼自身がそれに気づいていない。
あのどうしようもない「病み」は一体何なのだろう?
彼がああなのは、会話をして、否定されたり、失敗したり、自分の優位性が傷ついたりすることに耐えられないから、”想定問答”に逃げているからだ、と分析していますが、理由が分かっても、実際にその会話にさらされると、自分が病みそうな、嫌な感じに包まれるのを避けることはできません。

まぁ、今後は接触しないからいいのですが・・・自分の中でうまく定義して、彼を片付けてしまいたいです。