シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

人生を励ます言葉  中野孝次著

著者自身がこれまで励まされてきた言葉を集めた本。
1988年出版の本です。
30年前に読んでいたら、自分の人生少しは違ったかな?と想像してみましたが・・・当時の自分は今とは別の部分が気になったんだろうな~と思います。

東西古今の本などからの引用満載で、原書を読んでみたいな~と思う本がいくつもありました。
書名は知っているけど、読んだことがない本が多かったです。

私が気に入ったのは・・・
「自己への忠誠について」の章で取り上げられいた言葉。

もちろん、青年の方は、与えられたぎりぎりの忠告にたいして、こう答えるでしょう。
「いやぼくは金を稼ぐつもりのものは左手で書いて、ぼくにとって大事なものは右手で書きますよ。」と。しかし、その左手は同じ身体についているのです。左手が触れた堕落の毒は、右手に感染するでしょう。
               ノサック「文学という弱い立場」より


年収90万で東京ハッピーライフという本に、
「たとえば電車で目の前に杖をついた老人とか妊婦さんがいても席も譲らないのに、将来自分が困った時のために必死に働くのって、関係ないようで地続きな気がする。」
とありましたが、これにも通じる気がします。

人は自分では本音と建て前を上手く使い分けているつもりでも、自分自身に嘘は付けないというか・・・本音は違うんだけど…と思いながらもやってしまった言動の影響を受けずにいることは出来ないように思います。
自分自身をだましていることに気づかないでいても、いずれ己の悲鳴を無視できなくなるのですから…。
ACだと自覚する前の私は、本音(親にはいつも見捨てられていると感じていたし、そういう親が嫌い)を嘘(親は自分を愛してくれていて、自分も親が好き)で上書きして自分自身も騙し続けて、その苦しさが募っておかしくなりました。体調が悪くなったり、理由のない抑うつ感が続いたりしました。

だから、状況が許す限り、納得できないことはしたくない。いずれ自分に還ってきて、苦しくなるのは、私にとっては明白な「事実」ですから。
残りの人生は出来るだけ自分に正直でいたいと思います。



今の自分に贈る言葉
疲れたら憩(やす)むがよい、彼らもまた、遠くへはゆくまい
                              尾崎一雄「痩せた雄鶏」

のんびりいこう