担当の在宅患者さんに、ミニマリストがいらっしゃいます。
憧れです。
「足るを知る」の体現者(と私が勝手に思っている)でもあります。
身寄りのない生活保護の方で、常に体に痛みがあって、外出は近所の買い物がやっと。
電話(携帯)もないので、(確認したことはありませんが)連絡を取り合う友人もいないのかな~?なご様子。
でも、いつもにこやかです。
「冬場は冷えて痛みもびりびり走って目が覚めたりしたけど、今は暖かくなって、ずいぶん楽。痛いことは痛いけどね。大丈夫。」
「(加齢のせいで)頻尿はあるけど、別に痛いわけじゃないからさ、(あまり薬は効いてないけど)いいよ。」
「こうして、薬届けてもらったり、先生が来てくれたり、マッサージも来てくれるし、ありがたいよね。デイサービスは年上の人ばっかりで話はあまり合わないけど、風呂に入れるし」
「不満を言ってもきりがないからね」
・・・自分がこの立場になったら、こういう風には言えないな…
「早くお迎えが来てほしい」とか、「生きる意味がない」とか、答えようのないことを毎回、しつこく、ぶつぶつ言って、サービス提供者を困らせそう。
以前、介護職の経験がある友人が、幸福度はお金とかじゃなくて、その人の心のあり様だと感じた と話してくれたことを思い出します。
私はいまだに夫との死別のダメージを引きずって、メンタル落ちるたびに(つまりは、ほぼ”常に”)ぶつぶつ言っています。
分かってはいるんですけど。
夫が遺してくれたもののおかげで、わんこと暮らせる住まいを買えたし、
運よく前の職場に再雇用してもらえて、働く場所・収入もある。資格があるから、パートにしては高収入。
周りのわんこ仲間や姉、特に先輩未亡人のお二人に助けてもらって、何とか生きてる。
自分もわんこも今のところそこそこ健康。
今のところ天災にも遭わずに済んでる。
夫婦はいつかは死別か離別で一人になる。統計上は、女性の方が独りになる可能性が高いのだし…それがたまたま自分の予想より20年以上早かっただけ(いや、”だけ”では片づけたくないけど)。
在宅の仕事は面倒ではあるけど、こういう出会いがあるのは、ありがたいし、面白みでもあります。