シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

「母」がいちばん危ない  斎藤学/村山由香 対談

作家と精神科医の対談。村山さんは毒母に悩まされてきたそうです。
テンポのいい対談で、さくっと読めました。
毒母バッシング対談ではないのも、面白かったです。これまた上手く書けませんが。
 
無理に「回復の到達点はあのあたり」と目標を定めて、必死で進まなくてもいいのかな、と肩の力が抜けました。
親の影響は根深いので、自分がすっきりするまで取り去ることは出来そうにないですし。
「まぁ、こんなもんかな」と思えればよし、でいいんだな。
つい、まじめに思いつめてしまうけれど、もう少し気楽に生きればいいのかも。
 
 
村山さんは、ふーっと(自分の本音を)悟って、離婚したそうで、
先日の、「もう、受け取り拒否だ」が降りてきた時の自分の重なりました。
日頃理性や習慣で抑えているものを超えて降りてくる自分の本音には従おう、と思いました。
 
 
人形遊びの話も身につまされるものが・・・
健康な子だと、自分がしてほしいことを人形にして(髪をとかしたり、かわいい服を着せたり)かわいがって、自分が満たされるのだそうで・・・裸にして、髪の毛つかんで逆さづりにしていた私たち姉妹は一体なんだったのか。
やっぱり、あの時、家庭内に「病んだもの」があったんだな、と思います。
 
今の私は、「自分がしてほしい・してほしかったように」わんこの世話をして、かわいがって、
「ほら、あんたたちは”自分の命より子供を大事にしてきた、愛してきた”っていうけど、こういう世話はしなかったでしょ? こういう風に大事にされたかったの!まぁ、あんたたちには無理でしょうけど。」と体現しているのかも。
 
 
「いい母親は死んだ母親」という言葉も心に響きました。
死んだ人は美化される、の別の言い方ですけど。
私も、母親が死んだら、「まぁ、問題もあったけど、可哀そうでいい人だった。」になるのかな?
ネット上でも、自分を性虐待した父親を絶縁はしているけど許している人がいて・・・それは、その人が、長年の苦しみを超えて到達できた場所でもあるだろうし、絶縁して、「安全地帯」を確保できたから、
「絶縁して、ある意味”死んだ父親”は可哀そうな父親」な理解を示しているのかな? と思いました。
 
それなら、私ももっときっちり距離を取ったら、怒りや憎しみも多少は和らぐのかも。
 
 
心に響く言葉が一杯の本でした。
村山さんの小説を読んでみたくなりました。