シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。 幡野広志著

先日読んだ幡野さんの本が気に入ったので、こちらも読んでみました。

おそらく自分は癌で遠からず死んで、息子さんと直接話せなくなってしまうだろうからと息子さんに伝えたいことをまとめた本、でした。

著者自身の価値観が前面に出ている感じ。

おおむね そうだよね、と思う話だったのですが、中には、「学校は理不尽を体験するだけの場所」だとか、「学校の勉強は意味なし」だとか、私とは考え違うな、というところもありました。まぁ、人それぞれですから。

 

遺言として残す場合、難しい面もあるな、と感じました。

相手がどうとらえているかを聞いて、「いや、そこは、こういう意図なんだよ」とすり合わせることが出来ないので、誤解されるリスクも。

誤解で済めばまだいいですが、”亡き父の言葉”の場合、いくら「自分の生き方は好きに選べばいいんだから、私の言葉は読まなくてもいいし、読んでも参考程度にね」と書き残していても、どの重さで受け取るかは、息子さん次第。呪縛になるリスクもあるよな。そこを見守るのは、母である著者の配偶者の役目でしょうか。

そうは言っても、自分が子どもの立場だったら、幼い時に死に別れるなら、親がどういう考えだったかは知りたいし、こうやって書き残しておいてくれる方が嬉しいのは間違いないな、とも思います。

この辺の微妙なところは、おそらく当事者でないと想像もできない領域なんだろうな~とぼんやり考えました。 

 

考えたいな、と思ったのが、100万円あったらしたいこと。

著者は息子さんが18歳になったら、100万円好きに使えと渡したいそうです。(その資金を貯めているらしい)できれば旅に使って欲しいと言っていました。

私も、数年以内に死ぬなら、親には1円も渡さないけど、甥と姪たちには100万円ずつ渡して、「やりたいと思ってきたけど、お金もないし・・・と諦めたとか、優先順位そこまで高くないかな・・・と思ってきた”経験を買う”(旅行でも、エステでも、観劇でも、習い事でも、何でもいい)をしてね」と言いたいな~とは思っています。

この本を読んでいて、別に、これ、今自分に言ってもいいんじゃね?と気づきました。老い先を心配して、お金を貯めることばかり考えてきたけど、100万は無理でも、30万でも、5万でも、何かやりたかった経験を買ってみたらいいんじゃない?と。

条件は、「これまでやったことがないこと」かな。 妄想だけでも楽しみたいです。

 

私個人の励ましになった言葉:

嫌いな人とは会わないようにしている。

どんなときも一緒にいて、最後まで一緒にいるのは、自分だけ。