シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

哲学者とオオカミ マーク・ローランズ著

TVで紹介されていて読んだ本です。
 
とある哲学者が、子オオカミを500ドルで買い、一緒に暮らした日々のお話・・・ですが、オオカミの生態についてより、オオカミとの生活を通じて著者が考えたこと・感じたことをまとめた本でした。
 
私もわんこと暮らしているので、わんことサル(私)のもののとらえ方の違いはこうなんだね…と思いながら楽しく読めました。
著者は哲学者だけあってかなり理屈っぽいのですが、それも私にはぴったり(笑)
 
 
その中で、
 ・自分より弱く・無力なものを守る義務
 ・自分の信念が正しいのか疑って検証を続ける義務
についてのくだりは、自分と親を思い出して、気持ちがかなりざわつきました。
私の親には両方が欠けています。
己を振り返ることもなく無邪気に正しいと信じ切って自分も騙している彼らに腹も立ったし、うんざりもしたし、通じ合う糸口もないと落胆もしてきました。
 
私自身は、「自分が正しいのか、これでいいのかを常に疑う姿勢」は持っているつもりですが、弱きものを守る方は、対象が限定されるな・・・と思います。
 
 
人生の意味や幸福についても書かれていましたが、著者の主張をここにまとめるのは私には難しいです。
「人生で一番大切なのは、希望が失われた後に残る自分である」の言葉は、正直著者の意図は私にはくみ取れなかったのですが、
「希望がなくなった後に、自分が何をするか。どういうありようで存在するのか。」が大切なのかな、と勝手に解釈しました。
 
いずれわんこが旅立つときに、どんな自分でいるのか(何をするのか)で、自分の本性を見ることになるのかもしれません。