シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

ハラスのいた日々 中野孝次著

柴犬との日々をつづった本。
昔話題になって映像化されたのは知っていましたが、最近何冊か読んだ本の著者の作品だったとは。
相変わらずのわんこロスなので、あの人の本なら大丈夫だろう、と読みました。

平凡な家庭犬と飼い主夫婦の日常なのですが、それがわんこと過ごした日々をありありと思い出させて、温かい気持ちにさせてくれる本でした。
犬を置いて外出すると、犬のことがどうしても気になるとか・・・飼い主”あるある”が満載です。
愛犬を襲ったよその犬にこぶしをふるって戦う著者とか・・・散歩中にわんこが野良猫に襲われて、傘で戦ったことを思い出しました。
著者の愛犬ハラスは、雪山で4日も行方不明になったそうですが、その時の胸のつぶれる思いを想像すると言葉もなかったです。
でも、わんこを大事に思っている人の言葉は読んでいて心地よかったです。

著者のわんことの関係の捉え方は私と似ています。

考えてみれば、私の半生において愛という感情をこれほどまでに無拘束に全面的に注いだ相手はいないという気さえするのでした。人間相手の場合は、相手は自分と同じ独立した人格で、性格も感情も意見もちがうから、これほど愛が純粋単一な形はとれないのです。

そうなんですよね。
なぜだか、人間相手とは違う。
全面的に自分の保護下にある幼児相手でも、わんこに対する感情とはまた違うものだろうと思います。
だから、「わんこなしの生活は考えられない」という人が一定数いるのだと思います。

私は、自分を一番助けてくれたのは夫だけど、一番救ってくれたのはわんこだと思っています。