シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

何が正解か分かりません

わんこ仲間のお父さんが、数年前に亡くなられました。詳しい理由は知らなかったのですが、偶然奥様から伺う機会がありまして・・・ 前立腺癌と確定診断がついたのは亡くなる三か月前だったそうです。

亡くなる2年くらい前から腰が痛いと整形外科に通うも、異常は見つからず。(癌からくる痛みだった可能性が高かったそうです)
大きな病院にも行ったけれど、「整形外科」にかかったので、診断付かず。
そうこうしている間に、日が経って、他の病院に行ってくれと頼んでも、本人は聞き入れず・・・家族が言ってももだめだから、と、お父さんの友人に言ってもらったりもしたけどダメだったそうです。
亡くなる4か月くらい前には、「あぁ、この人死ぬわ」と思うようになったそうです。お子さんは分からなかったそうですが、長年連れ添った妻の勘? 長年一緒にいたからこそ分かる、小さな変化の蓄積からの判断、でしょうか。


高齢になってからの前立腺がんは、進行も遅いことが多く、経過観察になる場合が多いと聞いていますが、50代、60代の場合は、「早期発見」の方がいいようです。進行の速いタイプもありますし。
前立腺がんは血液検査のマーカーが鋭敏なので、診察が恥ずかしい人でも抵抗なく検査できるから、50代になったらマーカー検査を受けよう!とあちこちで見かけます。
この方も、受けていたら違ったのかな・・・。

妻が「もうだめそうだ」と思う状態に近づいてからだと、ご本人も、おそらく、無意識か、うすうす・・・「受けたくない宣告を下されそうだ」と感じて、病院に行くのも断固拒否だったのかな、と想像したり。



わんこを亡くす前だったら、「早めの検査、自分の年齢でのリスク把握は大事よね~」で終わっていたでしょうが、亡くなられたご本人からすると、何がいいのか分からないな、が正直な感想です。

うんと早期に発見されて、心身にもお財布にも負担の少ない治療で完治、ならいいですが、再発リスクが高い状態や治療が出来なくはないけど難しい状態で発見されて、色々な思いや、治療の副作用や後遺症を抱えながら治療や経過観察を何年も続けるストレスより、現実からあえて目を逸らして、その分短くなってしまった(かも知れない)人生を生きて、逝く方がいい人(その人の性格に合っている場合)もあるだろうし・・・。


ごちゃごちゃ心配しながら生きるより、天に任せて、現実を受け入れる・・・と思っていても、いざとなると動揺して、早く病院に行っておけば!と後悔で身もだえする人もいるだろうし、病気で苦しむのは嫌だ!と、神経質に健康管理に気を配っている人が、いざ、大病したら、腹をくくって穏やかに旅立つ場合もあるだろうし。
どうなるかは誰にも分かりません。

「自分だったら、こういう風に考える可能性が高いかな・・・」とぼんやり想像して、後悔が少ない選択を重ねていくのが私には合っているかな、くらいしかわかりません。