シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

この地獄を生きるのだ 小林エリコ著

副題:うつ病生活保護。死ねなかった私が「再生」するまで

今でいうブラック企業で働いてうつ病になり、自殺未遂。その後、精神障害者手帳を取得し、生活保護で暮らす。今は精神科への通院を続けながら、NPOの事務員として働いている。

 

まとめると数行ですが、事務員としてお給料をもらえるようになり、生活保護でなくなるまで10年ほどかかったそうです。

生活保護を受けていることを恥ずかしく思い、経済的に自立したいと、精神科のデイケアで言われたお菓子屋さんで働いてみたり、NPOで最初はボランティアスタッフとして働いてみたり、心折れることが何度もあっても、次の一歩を踏み出して、すごいです。

クリニックのお菓子屋さんは、クリニックの宣伝のためで、関わっている患者さんたちが嫌がって辞めたいと言っても辞めさせてもらえず、でも、クリニック以外に行くところもなくて、追い詰められて、著者は再び自殺未遂をしたり、現実は一筋縄ではいかないのも、切なくなりました。

 

今の私には、「よし、私も頑張るぞ!」と単純にはっぱをかけないでおこうとも思います。自分で納得できていないと、自分の本音に沿ったことでないと、辛い時に乗り越えようとするパワーが出てこないことは、今経験中なので。

自分から動かないと、状況は好転しにくいのも事実ですが、タイミングを待つ、じっくり続けてみることの大切さも改めて感じた1冊でした。

 

よく、弱者切り捨ての社会と言われますが、やっぱりそうなんだな~と暗くもなりました。

人手が足りないのでしょうが、著者のように働いて生保から抜け出したいと思っている人への支援ももっと手厚ければいいのに、と思います。

確かにサポートは時間も手間もかかって大変だろうし、実際にどのくらいの人が自立できるかは分かりませんが、長い目で見たら、「費用対効果」もいいと思うのですが。