シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

ワルシャワの夜と霧 クリスチナ・ジウルスカ著

友人の紹介で興味がわいて読みました。ナチスホロコースト関連の物語。

体験談を軸に小説仕立てにしたもの?

図書館で借りましたが、1973年刊行。こんなに古い本が今でも蔵書なのは、それなりに読む人がいるからなのでしょう。

 

主人公は若い女性で、ワルシャワのゲットー(ユダヤ人居住区)から母親と脱出し、地下組織で働いていたらナチスにつかまり・・・という波乱万丈の展開でした。

時代背景の説明が殆どないので、何も知らずに読んだら、よくわからない話で終わりそうではありました。

 

感想を文字にすると、何とも薄いことしか言えないのですが・・・

飢えるって、こういうことなんだな、というのが一番強く印象に残りました。日常的に食糧不足が続いて、何もしなければ飢え死にしかない状況で、何とか細いつてを頼ったり、裏ルートで仕事を見つけたりして生き延びる・・・自分にこのたくましさがあるんだろうか?若くて体力があり、経験が少ない分大胆なことが今よりは出来たあの頃ならできたのかな? かなり厳しい気がします。

ゲットーの外では、以前の通り飢えずに暮らしている人たちがいることも知っていての日々なので、自分の置かれた立場の理不尽さのストレスを想像すると、常に怒っているか、諦めて死を待つかになりそうな気がします。

 

ヒロインの経験ではありませんが、代理出産の話まで出てきて、弱いものからの搾取って、何処までも残酷で、加害者側は平気でやるんだな・・・と正直胸糞悪い感情も湧きました。

ナチスのやり方、社会システムがこの搾取のベースにあるのに、何だかそちらの方は「既にあるただの守る以外の選択肢がないルール」のような感覚で自分がとらえている部分もあって、個人じゃなくて、政府や大きな組織がやることは、無意識に「仕方ないこと」として正当化して受け入れてしまう自分の危うさにも改めて気づきました。

 

ゲットーについては、これまで素通りで、簡単なことしか知らないので、ちょっと調べてみたくなりました。

 

ホロコーストは過去の出来事かもしれないけれど、似たようなことは今でもあちこちで(日本国内でも)起きていて、何だかな~です。

私にできることが何かあるんだろうか? と無力感も覚えますが、実は、あの親たちと絶縁し続けることが、「私にできること」なのかも。

私が、「不当な理不尽、搾取は絶対に許さない!をちゃんと自覚して、行動化している唯一のこと」ですから。

まぁ、絶縁された挙句、野垂れ死にする毒親が世にあふれたとしても、それを教訓に、言動を改める子育て中の毒親たちがいるとも思えませんが・・・全てを「(たとえ歪んでいたとしても)親の愛だ」で誤魔化したい”親教”の人たちへ揺さぶりをかけることはできるかもしれません。