シンプルライフへの遠い道

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人は、なぜ他人を許せないのか? 中野信子著

私には親を筆頭に許せない人が何人かいるので、その手の”許し”にまつわる話を脳科学者はどう語っているのか興味を持って手にしましたが、内容は違っていました。

ネット上で簡単に他人をバッシングする「正義中毒」の話でした。

 

説明は分かりやすく、言われてみれば自分もそうだと思うことも多かったです。自分では、「正義中毒」になって、簡単に他人をバッシングはしていないつもりですが・・・まぁ、ほとんどやってはいませんが、他の面では…('◇')ゞ

 

日本は事なかれ主義、集団を個人より優先する傾向が強いですが、自然災害が多く、資源も少ないため、協力しないと生き残れなかった環境の要因が大きいという話に、多くのことは必要性があるからそうなっているんだな(現在も必要かはまた別の話)と納得。

 

人間は集団で協力することで生き延びてきた種なので、集団への所属と、所属した集団の持続そのものが最優先の目的となる、というベースがあり、更に「考えること」の省力化の為、「所属集団メンバー以外は敵」のような単純な判断に流れやすいというのも、そうだな、と思いました。

 

今は、自分の見方はごく一部の情報をもとにした偏ったものだという前提で考えるようにはしているし、ネガティブな感情が一定より大きくなったら、「本当は何に怒っているんだろう?何が不安なのだろう?」と立ち止まる癖もついてきたのは、悪くない傾向のようで安心しました。(メタ認知とマインドフルネス)

ただ、気持ちにゆとりがある時限定なのは自覚しています。

それもあって、”考えること”を増やしたくないです。立ち止まって考えることが減ると、その先にはこれほど嫌悪している親と同類になっていく怖さがあるからです。そのベース(例えば、虐待加害者になるリスクの高さ)は十二分に持っていることも自覚しています。

 

 

気になった言葉など・・・

・興味のない分野にも接してみることが重要(偏りを防ぐ)

・どのような相手にも共感的に振る舞い、人間として尊重し、認めていくという機能はとても高度で、25~30歳くらいにならないと成熟しない上に、衰えも早い。

・これまで見せてきた自分と矛盾しないようにふるまわらなければならないという根拠のない思い込みに、無意識に縛られている。(一貫性の原理)

・「昔は良かった」は脳の衰えのサイン

・脳の老化を防ぐには

 1.慣れていることを止めて新しい経験をする

 2.不安定・過酷な状況に身を置く/知的偏食を防ぐ

 3.安易なカテゴライズ・レッテル貼りに逃げない

 4.余裕を大切にする

 

この中では、情報収集の偏りが一番気になりました。どうしても興味があることにしか目が行かないので・・・たまには、全く手にしたことのない分野の本も読んでみようかと思えました。・・・まずは薄くて軽い本から(笑)