シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

手当ての力

子供のとき、悲しかったこと -病気がらみ-

病気になると、閉じ込められた。
 部屋にも、あまり様子を見に来てくれなかったし、
 「伝染るから」
 と家の中をうろうろすると怒られた。
 TVは勿論、漫画や本も「目が悪くなる」と禁止され、一人軟禁状態。
 回復期はちょっと元気も出てくるし、退屈で、じっと寝ているのがとても苦 痛でした。
 他の家族が楽しくしゃべっているのが聞こえるのに、自分だけ閉じ込められ て、何だか捨てられた気分。
 すごーく寂しかったなぁ。


一人で病院に行かされた。
 中学の頃までは、病気の時は病院に母について来てもらいたかったです。
 その頃、母は専業主婦だったけど、ついてきてはくれませんでした。
 別に、一人で行って、診察受けて、薬もらって帰るくらい出来ましたけど、 病気の時は気持ちも弱っているので付き添って欲しかったです。
 高校になったら、ひとりで大丈夫でしたが。


こういうのも、私の中では”必要な愛情が与えられなかったこと”として
「おり」になって沈んでいます。



「手当て」と言う言葉がありますが、最近そのパワーを実感しています。

うちのわんこは年数回、何度も吐いたり、下痢をしたりして体調が悪くなる時があります。そういう時、側にいて、そっと体に手を当てているだけで、安心するようです。
「大丈夫だよ、側にいるよ」
と声をかけて、添い寝したりします。

逆に距離を置いて知らんぷりすると、不安そうな、寂しそうな目でこちらを見ます。
心細い時は、側にいて、手当てして欲しいみたいです。


わんこも、家族みんなに大事にされている子は長生きです。
もう足腰が弱って、あまり歩けなくなっていたのに、家族が交代でお散歩に連れ出し、声をかけたり、支えて歩かせているうちに、(よたよたですが)自分で歩けるようになったわんこがいます。
そのわんこは、一番懐いているお姉さんが側にいないと夜寝付けないそうで、お姉さんは夜遊びに行く時は、わんこを寝かしつけてから出かけるそうです。
そこまで大事にされて、いつも家族に声をかけてもらっているから、長生きなんだろうなぁ。
その子は飼い主さんを信頼しきっていて、穏やかな目をしています。


私は片頭痛もちです。
痛くなると、薬のお世話になりますが、夫に「手当て」と言って、手を頭に乗せてもらったりします。
ちょっと薬の効きが良くなる気がします。


「手当て」って、自分を労わって、心配してくれる人がいると体感できるのがいいんでしょうね。


子供のときに、こういう+αのケアを受けた記憶があまりありません。


実家の子育ては、こんな感じ。

わんこで言えば、エサと水、小屋は用意され、散歩にも連れて行くし、病気になれば病院にも連れて行く。予防接種もちゃんと受けさせる。
世間の迷惑にならないように躾もする。

でも、一番必要なものが足りない。

わんこで言えば、家族に声を掛けられ、なでてもらい、
「私は愛されているね。私のおうちはここなんだ。ここにいていいんだね。」
                          と実感できること。

これじゃ、親に何かあっても、優しくサポートする気になれなくても仕方ないかな。
それが実家の「家風」ですから。