シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない 東畑開人著

東畑さんの著書は好きでよく読んでいます。この本も読みやすく、いい内容でした。

まとめる元気はないので、気になった言葉を。

 

「休み」や「眠る」は一人でもできることのように思えます。しかしそれらは他者がなんらかの形でいないと不可能になってしまう種類のものです。・・・中略・・・

他者は安全である。この感覚が心の中にあるとき、僕らは安心して眠ることが出来ます。・・・中略・・・「いる」とは誰かと共に「いる」ことです。

 

他者を「敵ではない」と感じられること。他者が安全であると信じられること。そういう他者が現実にせよ、心の中にせよ、「いる」こと。それこそが、「愛すること」の正体です。

 

性格の良い悪いなんてのは、案外環境次第です。あなたが「やなやつ」になっているとするなら、それは周りのせいかもしれません。

 

だから、まずはシェアでつながる方がいい。

つらいときに愚痴れる仲間がいると助かるし、さみしければ友達と会えるとよい。

小舟は脆弱です。だからそこ、追い詰められているときには、まずはシェア。傷つかない関係によって、安全を確保し、支えられ、体制を整えることが先決。

シェアのつながりでは、それぞれの小舟は最終的に孤独を引き受ける必要があります。自分は自分、他人は他人。その一線を保ちながら、人々はつながっている。それが良い。だけど、さみしくもある。

 

僕らはついつい自分の心は自分で守るべきだと思いがちですが、本来心は誰かに守ってもらうものなのだと思います。そのうえで、自分でもできることをやるという順番。

 

無限の力を持つ神を信じるよりも、有限の人間を信じる方がずっと難しい。

 

時間をかける。難しいものを心に抱え続ける。すると、ある日、それがストンと落ちる。

 

幸福とは何か。複雑な現実をできるだけ複雑に生きることである。