シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

なるべく働きたくない人のためのお金の話 大原扁理著

他の著書を読んだことがあって、著者のスタンスに共感を持てたので、新本も読んでみました。
具体的なやりくりやサバイバル術と言うより、「こういう風に己の価値観掘り下げつつ、それに従って暮らしたら、こんな感じになってるよ」というお話で、この本も押しつけがましさや自慢臭がなく、私にはいい本でした。

他の本の詳しい内容は覚えていないのですが、この本には「どうしてそういう暮らしを選んだのか」の思考過程が書かれていて、とても参考になりました。

高い家賃を払うために沢山働くのは止めて、家賃の安いところに引っ越し、仕事を減らし、支出を見直し…という作業も、一つの形に落ち着くまで2年位かかったそうです。
他の本でも、気持ちの整理がつくまで2~3年かかったという話をいくつか読みました。
無理なく、自分の考えを確かめながら、試行錯誤を繰り返していたら、数年かかるよな~。
「結果・結論を焦らない」は大事だな、と思いました。

希望の暮らしを考える時、「どうしてもいやなことは何か」を基準にしているそうです。
最近見たTVでも言っていたなぁ。
「やりたいこと」は分からなくても、「絶対いやなこと」は分かるよね?というのもあるし、
「やりたいこと」を考えると欲望が膨らむ(その分必要予算も膨らむ)けど、「どうしてもいやなこと、譲れない最低ライン」を確認するのは現実的なプランを立てやすくしてくれます。

私の場合は、「親と関わること」が絶対に嫌なこと(毎回言っていますが)

他には、
不当な搾取をされる
価値観を押し付けられる  かな。
貧乏も嫌だな…。これは程度の問題なので、譲れない範囲を確かめる必要がありますが。

著者が自分のスタイルを作っていく過程で大事にしたことは、

 苦しいことをなかったことにしない(現実の辛さに目をつぶらない)
 さっさとそこから抜け出す
 思わぬ展開を楽しみ、受け入れる
 完璧を求めない
 一気にやろうとしない
 周りを納得させようとしない

中でも大事なのは、
自分で確かめたこともないのに、当たり前と思っていることはないか、注意深く探すこと。
当たり前と思っていることは本当にそうなのか、一つずつ確かめること。
 この二つを通して、自分がどうありたいかをあきらめていないか気づくこと。


著者は低収入・低支出ですが、
・最低限必要な生活費と、日頃の生活費を把握
・もしもに備えて半年分は貯金
この二つはやっているそうです。
その上で、「何とかなる」と安心して暮らせるのだそうで、それはそうですね。
・・・我が家の場合は、生活費がかかるから、夫に稼いでもらわないと暮らせないですが(^_^;)


最近はお金を使う時に、どこにお金を落とすかを考えるそうで、お金を使うことを通して趣旨に賛同できる活動をしている人たちを応援するようにしているそうです。
寄付もいいですが、「応援兼ねた支出」もいいな、と思いました。
逆もありますね。「この企業・団体にはお金を落としたくない」って。
前のパート先を買収した大手チェーン薬局に行く気は毛頭ありません!(笑)



自分のお金にまつわる不安、働かなくちゃの呪縛は何なのだろう…と自問中ですが、「誰も助けてくれないから、せめてお金を!」という”見捨てられ不安の変形”も大きく影響しています。
これこそすぐにどうにかなる話じゃないなぁ。

自分の人生は自分で引き受けるしかないと腹をくくって、己との対話を続けることでしか、自分らしく生きる道は見えてこないんだな…と再確認しました。