副題:僕が余分なものを捨て人生を取り戻すまで
著者:ジョシュア・フィールズ・ミルバーン + ライアン・ニコデマス
ミニマリストってこんなだよ、ではなく、どういうきっかけで、どういう経過を経てミニマリストになって行ったのか、その道中ではどんな試行錯誤があったのか、本人の心の揺れはなかったの? 失敗したこと、スムーズにできたこと・・・それをどう思っているのか・・・そういうことが知りたくて読みました。
ミニマリストの日本語ブログも沢山ありますが、全てを丁寧に読む時間と根性もないせいか、断片のつまみ食いになってしまい、自分がミニマリストになるにはこういう方法があるのね、ということは分かっても、ブログを書いた人がどういう背景と心境でその方法を選んで試したのか、どう微調整して自分に合うスタイルにしていったのか、まではなかなかイメージできませんでした。
この本は、物語風に書かれているので、その辺がよく分かって、とても参考になりました。
高給取りだった著者は、母親ががんを患って亡くなり、自身は離婚し・・・という喪失体験を通じて、ミニマリズムに興味を持ち、
最初は持ち物の処分、借金の整理をし、
以前から物を書くのが好きだったので、それに集中するため仕事を辞め、
というこれまでがつづられています。
「夢を追及する」「自分が本当にやりたいことを見つける」などと聞くと、限りある人生、自分が本気で取り組めることにエネルギーと時間を注いだ方がいいよな、とは思うものの、自分がやりたいことがよく分からない。
誰かの役に立って、喜んでもらえたらうれしいけれど、ボランティア活動に参加するのは、他人が恐いし、束縛されたくないし・・・と躊躇して一歩を踏み出せず。
どうやら、「やりたいこと」を大げさに考え過ぎていたようだ、とこの本を読んで気付くことが出来ました。
何か、はっきりした形になることでないといけない、続けるのが前提でないといけない、と思っていました。
手芸をやるなら、先生になるとか、賞を目指すとか、本を出すとか、その分野の人気ブロガーになるとか・・・?
人と交流するなら、何かの(仕事でも、趣味の集まりでも)一員になって活動しなきゃいけない?
ゴールを決めて、それに向かって進むべし、と思い込んでいたようです。
何でも気の向くままに手を出して、全部中途半端じゃ人生の浪費だと思いますが、興味があって、やってみたくて、時間と労力と多少の経費はかけてみようかな、くらいの気持ちがあったら、まずはやってみて考える、程度の「好きなこと、やってみたいこと、夢」でいいのかな、と思えました。
この「ちょっとやってみようかな」が、単なる一時の興奮なのか、行動に移すレベルのモチベーションが自分の中にあるのか、やりたいことがいくつもある場合、どれが一番やりたいことか、などを見極めたり、実際に行動に移す時間と気力・体力を確保するために、他の余計なものごとを極力そぎ落とすライフスタイルが「ミニマリズム」なのかな、と思います。
(人によって定義がかなり違うようですが)
私はまず物と未処理事項の始末から。
どうやら、「その時」が来たら、自然と分かるようなので、今は焦らず、答えが降りてくるのを待ちつつ、身辺整理を続けようと思います。