シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

あやうく一生懸命生きるところだった ハ・ワン著

40歳を目前にして、特にプランもなく会社を辞めた著者のエッセイ。これまでの価値観を問い直して、自分に合った生き方を模索・・・パートを辞めたい自分にぴったりだと思い読みました。

著者の半生も語られていて、とても参考になりました。

生き方に行き詰った時、次の展開が訪れるまで3年前後はかかるんだな・・・とか。私が専業主婦だったのは3年、今辞めたら今の職場で働いたのは2年半になります。

「石の上にも三年」というけれど、3年前後で何かが見えるので、そこが一つの転機になる、ってことなのかな。

 

一生懸命生きるのはつらい。それは我慢の人生だから。

 著者のこの言葉に全てが集約されている気がします。

 耳が痛い・・・。

時には頑張りも我慢も必要だけど、「これは必要な”一生懸命”か?」って、時々振り返らないと、自分の”一生懸命”を誰かに搾取されて終わりな気がします。

 

 

みんなと同じように生きないという選択は、あらゆる面で疲れる。ひょっとして、皆も疲れるから他人に合わせて生きているのだろうか。

これも強く感じます。専業主婦になっても何とかやっていけると見通しがあるのに踏み切れないのは、「働くのが当たり前の社会」だから。もし、40年前のように、サラリーマンの妻は働かないのが多数派だったら、こんなに迷わないと思います。

 

失敗を認める勇気。

努力と時間が実を結ばなかったら、潔く吹っ切る勇気。

失敗しても、新たなことにチャレンジする勇気。

 

「階段のすべてを見ようとするな。ただ最初の一歩を踏み出せ」キング牧師

 

「まずは当たって砕けろだ。失敗した時は後悔すればよし」”孤独のグルメ”より

 

お金のために自由を後回しにし続ければ、僕らは一生自由になれない。

自由を知らないまま老いて死ぬコースの一択しかない。

 

もしかすると人間は、人生の大事な時間を、自分の幸せな理由を探すより、不幸な理由を探すのに費やしているのかも。

 

よく考えろ、でも、ある程度考えたら動け、という示唆に富んだ本でした。