シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

だけど、生きている 後藤晃江著

乳がん闘病記。・・・というより、契約社員などの非正規雇用の待遇改善を訴えたくて書かれた本。

 

著者は独身の契約社員で、経済的な事情もあり、契約を切られるリスクを避けるため、乳がんと分かってからの検査、手術、放射線治療、ホルモン療法を会社に言わずに受けます。

言うは易し、で実際には有休も少ないため、「午前半休で局所麻酔手術(抗がん剤治療のための前処置)⇒午後は仕事」だったり、昼休みに放射線治療を受けたりして乗り切ったそうです。

妹さんにしか病気のことは言っていないそうで、「秘密にしないといけない」ということそのもののストレスも大きかっただろうな・・・。

 

私も以前、頭部や太ももの局所麻酔手術を受けたことがありますが、当日は麻酔が切れると熱が出るし、痛み止めを飲んでも痛いし、起きていられる状態ではなかったです。

あの時、周りに隠して働くって・・・無理!体が辛すぎる!

同僚に気づかれずに済むとは思います。私が38度近い熱があっても働いていた時も、誰も気づかなかったです。同僚なんてその程度。

でも、自分が無理~~。 本当にしんどかっただろうな・・・と思う。

 

たとえ多少の貯えがあって、1~2年治療に専念するゆとりがあったとしても、その後の再就職などを考えると、ブランク(とその理由)は厳しいよな・・・。そう判断して、黙って働き続けたのでしょうが、その精神的な重圧もすごかっただろうと思います。

 

今の世の中、利益優先の資本主義システムでやってますが、それで得している一部の人のために、こうやって苦しむ人がいたり、環境破壊が進んで異常気象になったり、野生動物が生きる場所を失ったりするのはおかしいと思う。

・・・具体的に私が今何かやっているわけではありませんが、少なくとも以前のように浪費して、資源を無駄にしないようには心がけています。

服(特にファストファッション)を買わないのも、奴隷労働問題などもちらと頭をよぎるから。

私が生きている間に、循環型社会に移行してほしいです。