シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

生き残った人の7つの習慣 小西浩文著

副題:登山でもビジネスでも「危険」を回避した人は必ずこれをやっている

登山家でもある著者が、自分自身の経験などから、危機管理に必要なことを挙げています。
無酸素(酸素ボンベを使わない)で、エベレストなどに登頂している人なので、少しのことで命を落とす場面に沢山遭遇しているからこそ言えることのように思いました。

・危機の予兆を見逃さない
・今に集中する ゴール前は要注意
・どんな状況でも絶対に焦らない
正常性バイアス(自分は大丈夫、何とかなるだろうと根拠なく楽観的に考えること)に注意
・常に最悪の事態を考える
・かすかな異変に気付く
・事前準備に9割の力を注ぐ

まとめてしまうと、「うん、知ってる」ことばかりですが、実践は難しい。

比較的自分でもできているかな?と思うのは、想定外に甘えない、最悪を考えて対策を立てておく、準備は周到に、くらいでしょうか。

”もう少しで終わり”となると、意識がそれて油断し、ミスをする…調剤ミスで多いパターンです。
”焦らない”も難しいです。今のパート先は待合室と向かい合っていないので、待っている患者さんの目線が痛くて焦ることは減りましたが…。「焦る→間違える→さらに手間が増える」の負のスパイラルはよくはまります。

一番、心に残ったのは、「かすかな異変に気付く」です。
第六感のようなもので、”科学的根拠”もなければ、”理論的な説明”も難しいですが、何となく嫌な感じがしていたら災難に遭ったとか、もともとは困難な状況でダメだろうと思っていたのに、今回はいける気がしていたが、その通りになったとか…。
ここ数年大事にするようになった「身体感覚がそういっている」とか、「無意識からの声がこういっている」とか、そういうものに近いのかも。言葉では説明できないけれど、何か感じるものがあったら立ち止まることが大事なんだろうな、と思いました。

わんこの飼い主さんとの話で時々出てくるのが、「獣医さんの診断より、飼い主の勘(違和感)の方が正しいことが多い」。これも、著者の言う「かすかな異変に気付く」に近い気がします。
もともとお腹が弱かったけど、この症状・経過は何かがおかしいと思っていたらリンパ腫だったとか、逆に、獣医さんは難しい病気かもしれないと言ったけど、様子を見ていたら治る気がしてそうしたら治ったとか。
勿論毎回飼い主の勘が当たるわけではありませんが、特に、”これは単なる○○ではない気がする”というのは無視しない方がいいよね、というのが、これまでの飼い主同士の付き合いで学んだことの一つです。「ペットの健康管理」も危機管理の一つには違いない。