シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

サイコパスの真実 原田隆之著

図書館の「新着本コーナー」で目が合ったので、読みました。
偏りなく、分かりやすくまとめられていて、偏見を助長しないように表現が工夫されていて、いい本でした。

私の理解では、サイコパスとは「良心・共感性のない人」。
人口の1%くらいがサイコパスらしいのですが、実際に接触があった人たちの中で「あの人もしかして?」と思いつく人はいません。
多分、私が気づいてこなかっただけ。

良心や思いやりのあるふりをしたり、少しは持っている(ある場面では発揮できる)サイコパスも多いのだろうし、サイコパスでなくても、恐ろしく冷淡になる場面もあるし、よく分かりませんから…。


この本を読んで再確認したのは、サイコパスに限らず、自分の中の警戒警報が鳴った相手からは離れることが大事、ということ。
私はそれでなくても病んだ人にターゲットにされやすいので気をつけないと。

人類全体で考えると、サイコパスも必要だったのだろうが、指導者にしてはいけないという著者の主張はその通りだと思いました。


サイコパスは治るのか? も私の疑問の一つ。「治る」という表現には違和感がありますが…。
変わらないと思っていましたが、アプローチ次第な部分もあるそうです。
サイコパスの悪い面が表に出るのを減らす・程度を弱めるという意味では、子供のころからの治療的アプローチに効果があるそうです。やり方がまずいと、却って悪化するとか。
「性格だから仕方ない」的に諦めるんじゃなくて、社会に馴染む方向に成長してもらう方法があるんだというのは、新鮮でもあり、希望が持てる話でもあります。

サイコパス的な大胆さが必要な場面もあるでしょうが、無慈悲な凶悪犯罪とか、己の利益のみを追求してその人歩んだ道には累々と死体が積みあがっていくのは勘弁してほしい。私は被害者になりたくない。他の人格障害などはともかく、自分がサイコパスではないということだけは宣言できます・・・だから、なるとしたら”被害者”なので、正直関わりたくないです。


世界全体を見渡せば、「いろいろな人がいることが必要」なのは理解できますが、「自分が被害者になりたくない」も正直な気持ちなので、この世を渡っていくのは難しい…。

「こういう人もいるらしい」と知っておくことが、身を守る第一歩なのかな。