シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

LIFE SHIFT 百年時代の人生戦略 リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著

書名の通り、人生百年時代を生きていくための議題提案書。
70代、40代、20代を例に、今後の人生展開をシュミレーションしながら、それぞれの年代の人の課題(全年代共通の課題もあります)を示しています。

正直、あまり見たくない現実が書き連ねてあるんだろうな~、でも、眼を逸らしても現実は変わらないしな~としぶしぶ(?)読みました。
流し読みだったので、細かいところでは私の記憶や解釈は本の内容からずれているかもしれません。

お金はもちろん、それ以外の資産を3つに分けて説明してあり、分かりやすかったです。
・生産性資産(スキル・知識・仲間・評判)
・活力資産(健康、友人関係、生活のバランス)
・変身資産(自分についての知識、多様性に富んだネットワーク、新しい体験・変化を受け入れる姿勢)

表面的に読むと、私には落ち込む話ばかり。
今のままでは、貧困老後、それを防ぐには夫婦で力を合わせて収入を増やしたり、生活を変えたり、価値観の棚卸をしましょう・・・出来るだけ長く収入を得続けるのが大事です。
そのためには、人とのつながりや、キャリアアップのための勉強、働くことなどを推薦されても・・・
そもそも、「他人と一緒に居ること」が苦痛なのに? 100年時代を生き抜くために必要だということは、よ~く理解・納得できましたが、私、やりたくない。
「長生きしてもいいように、自分が苦手で、嫌いで、好きになりたくもない分野での修行を今後20年位は頑張ろうか?」って言われてもね…。


100年時代に対応するための心構えの部分は、励みになりました。意外と出来てる。かも。

・その時得られた外部からのフィードバックをじっくり内省し、自己認識と世界の見方を変えていく能力が重要になる(変身資産の構築)

・自己効力感(自分ならできる、という認識)と自己主体感(みずから取り組む、という認識)を持って、「ありうる自己像」を考えることが必要

・多種類のステージを生きていく場合、アイデンティティーをしっかり持つことも大事な要素になる。


時には仕事を辞めたり減らしたりして、その後の道を選ぶために、内省の時間をたっぷりとることも長寿社会では必要と言っていて、「なんだ、私の”人生の秋休み”のことじゃないか」と思いました。
人生の棚卸を一度やってみて、ごちゃごちゃになっていた頭の中も多少整理がついて、後半戦、行ってみようか…にはなった気がします。やっと働く気にもなりましたし。

今働く気になっているのは、自分が稼がなくてはいけなくなった時、たとえ短時間パートでも働き続けていた方がいいという保険の意味も大きいです。次の仕事も探しやすいし、ストレス低減になります。
私がやむを得ず働かなくてはならない場合=夫が働けなくなる、離婚するなどの大きな変化があった時です。それだけで十分大変なのに、働くのが苦手な私が、新しい職場で仕事を覚えるとなると、運良く仕事が見つかっても、ハードルがあまりにも高いです。
この決断も、自分の価値観に合った「人生100年時代への対処」と言えなくもない。



結局は、己の人生は自分で引き受けるしかないと腹をくくって、変化を恐れず、自分にできること、やりたいこと、やりたくないことを見極めて(内省し)、ちょっと先を見ながら、健康に気を付けて、堅実に貯金して、交友関係も大事にしていこうね、って話・・・なのかな。