シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

フロー体験 喜びの現象学 M.チクセントミハイ著

フローについて自力でまとめられないので、ウィキペディアからお借りしてきました。

人間がそのときしていることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚に特徴づけられ、完全にのめり込んでいて、その過程が活発さにおいて成功しているような活動における、精神的な状態をいう。ZONE、ピークエクスペリエンスとも呼ばれる。

この本ではフロー体験とは何か、フローを体験するにはどうすればいいのかなどが書かれているのですが、今の私に響いたことがいくつかありました。

「孤独について」
進んで孤独に生きる人(最果ての地に一人で引きこもって暮らすなど)がどうしているのか。
著者が言うには、
 ”時間の構造化はおそらく空間の構造化よりも重要である”
        簡単に言うと、毎日厳密に定められた日課を持つことがポイント。
 ”人は孤独でも生き延びられるが、それはエントロピーを防ぎ心が散乱しないよう、
 注意を秩序化する方法を身につけた時に限られる。”
表現が難しいですが、自分の経験でも、手芸教室の締め切り前には、この状態に入っていた気がします。
わんこの世話ー最低限の家事ー最低限の自分の世話(入浴とか食事など)以外は、とにかく手を動かすだけ。気が散るので、作業中はTVは見ず、せいぜい音楽をかけるだけ。余計な心配事とか、腹立ちの種とかが心に浮かぶことも激減して、思い返すと、生活自体がフロー状態だった気がします。
スケジュールが決まってしまい、雑念が減り、一つに集中していたからだと思います。

今も、この時のようにスケジュールが固定されて、集中から集中に移ることができるようにすれば、幸福度は格段に上がるんだろうな・・・と思います。

「仕事について」
パート退職前に沢山働いたときは、あっという間に時間が経つし、余計なことを考える暇もゆとりもないし、ある意味仕事中は「フロー」だったのかもしれませんが、幸福度は低かったです。
著者によると、「我々が意思に判して仕事に注意を投入していると感じる時、心理的エネルギーは浪費されている」そうです。うん、当たってる。
自分の人生にプラスだとか、他人に貢献できているとか、そういうのはなく、単に、「自分を軽んじている嫌いな会社に利用されているだけ」の状態では、充実感が残るはずもなし。
郵便局の単純労働の方が楽しかったのは、納得して楽しむ気でやっていたからだと思います。
仕事の内容より、自分の納得度の方が重要ってことですね。

「フローを満足と幸福につなげる方法」
”生活を包括的なフロー活動に統合する”
その場限りの娯楽に集中することでもフロー体験は出来ますが、一貫したライフテーマ(目標)がある方がいいようです。作業中は集中してフローに入ることができれば楽しいし、やっていることに意味があると思えたら、さらにやる気も出るし、人生自体に納得できる・・・ということろでしょうか。
詳しく書いてあるのですが、まとめる力がない…。

「自己流ではなくー」
過去の世代が達成した秩序から心の無秩序を回避させる模範を引き出す戦略が大事。
音楽・建築・詩・演劇・舞踊・哲学・宗教などの文化の中に蓄積された多くの知識を使う。
何やら難しい表現ですが、簡単に言うと、尊敬する歴史上の人物や、心打たれた本や芸術などがくれるインスピレーションを大切な手掛かりにする、ということらしいです。(私の理解が正しければ)

フロー体験とは別の話になりますが、親絡みのことを整理するのに、虐待経験者の体験記、心理学関係、たまには社会学、宗教など、先人の言葉が導きになりました。
これらなしに、一人で始末をつけるのは無理でした。
目標を見つけたり、方向性が合っているか確かめたり、やり方を模索したりするのに、先人の知恵を大いに使いましょう!ということですね。


内容が深くて広いので、二回読んでも消化しきれていない面がありますが、なかなか印象深いいい本でした。「自己目的的自己」など、気になるキーワードがいくつもあるのですが、まとめる力がないです。残念。まだ理解・消化が出来ていないからです。
時間を置いて再読したら、また新しい発見がありそうです。