シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

喪の悲しみ マリ=フレデリック・バッケ/ミシェル・アヌス著

どちらかというと学術的な本です。

実際に喪中にいると、「時間が癒してくれる」とは言うけど、一般的にはどういう経過をたどるんだろうか、いつまでこんな感じなんだろう? と思ってしまいます。

喪の体験談は、身につまされて辛くなるかも・・・と、敢えて、外から眺めているタイプの本を読んでみました。

大体こういう経過をたどるんだな、と分かって、他の先輩飼い主さんの言うとおり、遅くても数年経てばかなり落ち着くんだね、と慰められました。



ボウルヴィによると、
「幼少期より、両親に見捨てられる脅威に曝されていたために不安を呈し、アンビヴァレンツな形で両親に執着していた子供は、病的な喪の悲しみに陥る危険が高い」  のだそうです。

以前、他の本で読んだ 「両親の十分な愛情を受けずに育った(と自分で思っているACな)人が、関係良好だった配偶者を失った場合、深刻な悲嘆に陥る可能性が高い」 という話とも一致しています。
夫が先立ったら、私は大きな危機だな・・・。どうしようもないけど。


この本では、親を亡くした子供の心理や、接し方にもページが割かれています。
その子の年齢(理解力)に合わせて、穏やかに伝えるなどの配慮は必要だが、事実を伝えることが大切、 というのには大いに共感しました。
「子どもには酷」「どうせ理解できない」などと言って、事実をちゃんと伝えない大人もいるようですが、それは、「どう言えばいいか分からない。」「自分が辛い事実を伝える”宣告役”をやりたくない。」からじゃないのかな、と思います。
話してもらえない=仲間外れ=自分には本当の意味での家族がいない と子供は思ってしまい、
実際に亡くなった人と、今いる家族の両方を喪ってしまい、その痛手を乗り越えるのがさらに困難になる気がします。