シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

心がやすらぐ、お別れの心得  枡野俊明著

禅宗のご住職の著書なので、仏教(禅宗)の考え方に基づいたお話でした。

ちゃんと告知してほしいと言っていた夫に、余命を伝えたら、生きる気力を失ってうつろになってしまったという話も。
自分はこう思うだろうとか、こうするつもり、と想像していても、特に生死の問題がドンとあらわれた時にどう反応するかは分からないですね・・・。
ということは、たまにぼんやり考えておくことに意味はあっても、あまり突き詰めてもしょうがないということでしょう。

子どもを虐待するからと離婚した両親。虐待していた母親とはずっと会わずにいた娘たち。
死後、遺骨を引き取ってほしいと遺言があったと連絡が来ても、引取りを拒否した話も。
相応の謝罪も反省もなく、許してはもらえません。
  でも、許せない方も、しんどうだろうな、と思います。
私は、今は、「許せない自分を許そう」な状態です。


最近はわんこの体調もいいので、お別れのことは保留です。
考えると予期悲嘆に沈み込んでしまうので。

ただ、わんこは天国に行く(と私は思っている)のに、自分が地獄に落ちたら会えなくなるので、日々精進、と思いました。
死ぬ時のこと、死後のことをどう思っているのか、自分の死生観もよくは把握できていないのですが・・・。

辛い時こそ、規則正しい生活をして、辛さに飲み込まれて潰れないようにするのも大切なようです。
雲水さんの規則正しい生活についてこの本でも触れていましたが、ほかの宗教でも、修行者は大抵決まった日課を繰り返す生活の中で自分と向き合い、神と向き合い・・・ですから。

この本は押しつけがましくなく、でも、こうすれば解決!と安易でもなく、心に残る一冊でした。