シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

人生を半分あきらめて生きる  諸富祥彦著

著者と波長が全く合いませんでした。
 
著者の言いたいことには基本的に共感できます。
一昔前の”ふつう”=就職して、結婚して、子育てして・・・という生活が今は”ふつう”ではなくなっているから、自分の努力が足りないなどと無駄に自責の念を抱かず、上手にあきらめて、自分にとって大事なことだけは充実を目指す方がいいんじゃないかと思うんだ。  という内容。
 
私が日頃思っている、「世間の基準は横に置いて、心の平安を目指そう」に近い考え。
 
 
 
合わなかったのが、言葉の使い方。
 
たとえば「無縁仏」
東大病院で亡くなった人の3割が無縁仏、と書いてあり、??でした。
読み進めると、3割が直葬(通夜・葬儀をせずに火葬すること)だった、というだけ。
無縁仏=弔ってもらえない霊のことなので、私は遺骨の引き取り手や火葬手続きをしてくれる人すらいない人=行き倒れ or 親族に拒否された人 と思っています。
 
以前読んだ葬儀についての本によれば、
直葬の場合、火葬の前に読経してもらう場合もあれば、
埋葬されるお墓はあるけど、参列する親族・友人もいないし、無宗教だからと直葬の場合も。
経済的理由のこともありますし。
実際、知人はおばを直葬しましたが、火葬前には菩提寺に読経してもらい、その後の法事もしているので、「無縁仏」ではない。
言葉を捻じ曲げて不安をあおる書き方で、納得できませんでした。
 
 
他にも「あれ?」と思うところが何か所もあり、そうなると、本の内容全体が信用できなくなって、
言っていることは分かるけどね…としらけた気分になりました。