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兄はイスラム原理主義者になった

NHK BSのドキュメンタリー。
イギリスの海岸の町で育った腹違いの兄が、イスラム原理主義者になった人が、兄やその周辺の人を取材した番組。
 
この番組で一番心に響いたのは、17歳でイスラム教徒になった少年の母親です。
「自分が信じる宗教は自分で選ぶようにと育ててきたから。」と、息子がイスラム教徒になっても声高に反対したり、非難したりせずに見守っていました。
息子がイスラム原理主義者と交流を持つようになっても、(少なくとも番組上は)黙って見守っていました。
内心とても不安で、原理主義者にはなって欲しくないようでしたが、交流を止めてはいませんでした。
 
結局、この息子は、イスラム教徒ではあり続けていましたが、過激な原理主義には走らず、別の道を探したい、と言っていました。
 
多分、途中で母親が大反対して騒いだら、原理主義のグループに入って、家にも帰ってこなくなっていたのではないでしょうか。
 
 
この、「息子の信仰や人生は、彼の問題だから」と数歩離れて見守るスタンス、かなりの忍耐が必要だろうに、素晴らしいと思いました。
見捨てるわけでもなく、干渉するわけでもなく、静かに見守っている。
だから彼は自分の望む信仰の形を模索することが出来たのだと思います。
 
日本の多くの親は、大騒ぎして干渉するか、シャットアウトして見ないふりをするか、になりがちではないでしょうか。
「子供が間違った道に進んでいるのを止めるのは親として当然だ」という理論で。
 
私に子供がいたら、みまもっていられるか微妙です。
でも、子供と言えども自分とは別の存在なのだから、というスタンスは大切にしたいです。