シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

使わない機能は衰える

使わない機能は衰える・・・当たり前と言えば、当たり前の真実なのですが、Sさんは認知症前段階だな~と考える過程で、強く思いました。
 
Sさんが同僚になって10年ほど。
私の記憶もあやふやですが、以前は、ちょっと面倒な仕事は押し付ける嫌な人とは思っても、
すぐにパニックになってフリーズする・・・思考停止して、決断・行動できなくなるとはあまり感じませんでした。
 
が、1,2年の間が空いて、再び同じシフトで働くようになってから、
単に私に押し付けているんじゃなくて、出来なくなっている ことが多々あることに気づきました。
 
この「ちょっと面倒な仕事」は、薬局では日常的に発生する仕事です。
先日の、「過量投与になるから要対応」だったり、「在庫していない薬の処方が来た」だったり。
大体、対応の流れも決まっています。
 
在庫不足の場合は、患者さんにお詫びして、事情を説明して、
 ・近くの薬局から分けてもらう手配をする間、待ってもらう
 ・取り寄せるので、後日来てもらえないか頼む or 郵送することにし、住所を確認する
 ・入荷次第、自宅に届けることにする
                                   などから選んでもらうことが多いです。
 
薬局の事情で薬を一度にお渡しできないのは申し訳ないですし、説明やお詫びは、正直、楽しい仕事ではありません。
ごくまれに、怒る方もいらっしゃるし。
でも、仕事なので、やっています。
 
が、Sさんは私が知る範囲では、関わるのを徹底して避けています。
同僚たちが対応を相談している時も、聞こえていないのか、知らんぷりも多いし。
「これ、在庫足りないのよ」で終わり。自分が動く気は全くなし。
 
 
どうやら、こういう姿勢を長年続けてきたことも一因で、対応できない時が出てきていることに気づきました。
 
「これじゃ、量が多いわよね。多いわよね。」とぶつぶつ言うだけで、添付文書などで確認しないので、
本当に過量投与なのか分からないまま。
 
在庫のない薬の処方が来たとき、「この薬、○○と同成分?」とぶつぶつ言うだけで、これまた確認しないので、「同成分他社製品」で対応できるかもはっきりしないまま放置して、固まっている。
 
対応が遅れれば、それだけ患者さんの機嫌も悪くなって、トラブルになりやすくなります。
それが分かっていても、現状を頭の中で処理するのにやたら時間がかかっているようなのです。
次にどうすればいいか、そのためにはどういう情報が必要かが分からない。
何とかしなくては、という思いはあるらしく、同じことを何度も言い続け、必死でインプットしている風です。
 
 
週数回のパートとは言え、キャリア数十年なのに、「よくあるちょっと面倒なこと」に対応できなくなったのは、嫌な仕事を避け続けてきたツケに見えます。
慣れているルーチンな問い合わせ(湿布の追加を患者さんが希望していると医師に伝えるなど)は問題なくやっていますから。
 
 
正直、私もこの手の「ちょっと面倒な仕事」は苦手ですが、今後は自分の修練と思って、積極的にやろうと思い直しました。
トラブル対応に慣れていれば、転職する場合も、少しは自信を持って新しい職場に行けるでしょう。