シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

結婚の条件   小倉千加子著

2003年の本ですが、面白かったです。
 
確かにこの本の内容の殆どに頷けるし、男女が伴侶に求める条件が厳しい(一生のことと思えば、そうよね~と思えるレベルではある)ので、晩婚化・非婚化も自然の流れだと思えました。
 
ちょっと前の本なので、「共稼ぎでないとやっていけないな~」という最近の若い方の感覚は盛り込まれていませんでした。
 
この本の内容を私なりにまとめると・・・
 
男性が女性に求める結婚の条件
  美人で、やりくり上手で、家事育児を一人でやってくれて、自分の面倒も見てくれる。
  親戚や自分の親との付き合いも上手くやり、自分の給料に文句を言わない。
  控えめで自分を立ててくれる。
  自分より、学歴・給料は低い。
  出来れば専業主婦。妻が働く場合も、家事育児は手抜きなくやってくれる。
 
 
女性が男性に求める結婚の条件
  自分が働かなくても、子供を大学に行かせ、家族旅行に行ったりする「ゆとりのある生活」が
  出来るだけの十分な収入がある。
  自分が働くのは、自己実現の為だったり、更なるゆとり生活の為で、「生活の為」ではない。
  いきなり”起業するから”と会社を辞めたりしない安定性。
  浮気やDVはもちろんなし。
  浪費はしないが、妻の金遣いを細かくチェックするようなこともしない。
  学歴が高い(高収入に必要だから?)
  家事もやってくれる。
 
 
自分のこれまでの経験から言っても、事実だな~と思いました。
で、男女とも、「そんな奴、いないよ!」と思うほど、相手側の要求は厚かましい(^^ゞ
 
男性側から見ると、
そこまでの稼ぎと寛容さと誠実さを要求するなら、
連れて歩いて自慢できるだけの美女で、趣味・教養も申し分なく、いつもおしゃれして、いつまでも体型をキープし、家事育児は常に完璧なんでしょうね?
自分のわがままにいつでもにこやかに応じて、優しくお世話してくれるんでしょうね?
  と言いたいでしょう。
 
著者は、「だから晩婚・非婚は進む」と言っていますが、その通りだと思います。
 
私は?と聞かれれば、
男性側の条件を満たせと言うなら、(容姿がせいぜい十人並みだから、と控えても)
手取り年収1000万は稼いでから言って欲しい。
自分の親の介護をしてと言うなら、手取り年収1500万ですな。
介護しながら働く元気はないです。
ストレスと疲労回復の為に、エステに行ったり、友達と美味しいごはんを食べたり、
たまには老親をショートステイに預けて、友達と高級温泉旅館に泊まったりしないとやってられない。(もちろん夫の稼ぎで)
私の小遣いは年200万ってところかしら~
(介護の為に自費でヘルパーさんを呼ぶことを考えれば安いでしょ?)
それだけ私が浪費しても、家族の生活をキープし、自分たちの老後資金を貯金できるだけのゆとり・安心感が必要です。
 
 
自分自身の要求を振り返ると、おおむね著者の言うとおり。
計算高くてわがままです(^^ゞ
 
浮気、DV、浪費は論外。
私が家計の為に働くなら、当然家事分担を要求します。それも、「手伝い」ではなく、「これについては完全にお任せ」でいいレベルで。
夫が洗濯担当なら、手洗い、手洗いコース、普通洗い に仕分けし、それぞれに合った洗剤であらい、それぞれに合った方法で乾燥させる。 たたんで、しまうところまでやってくれる。
洗剤や洗濯小物の補充もやる or 買い物メモにして渡してくれる。
「これは手洗いだから、私がやる」とか
「そろそろシーツの洗濯しないと」とか 目配りしなくてはいけないなら、
実際の作業の95%を夫がやってくれても、気分的には半分しか楽になりません。
それだと、お互い不満・ストレスが溜まる元です。
 
 
結婚が具体的な将来のイベントになってきた20代以降、無意識に「経済力」で恋愛対象か区別していたな~と思います。
旅先で、人間的には深みがあって、思いやりもあり、気が会う人との出会いも沢山ありましたが、「日本に帰れば無職(退職してふらり旅中)」は無意識に恋愛対象外に。
学歴は、相手が「自分より高学歴の女」は拒否するので、自然と「自分と同等以上」が条件に。
「自分と同等以上の学歴で、サラリーマンかサラリーマンになりそうな大学生」がターゲット。
そのあとで、性格とか、価値観とか、自然とチェックしていました。
我ながらしたたかです(^^ゞ
 
 
言い訳させてもらえば、キャリアを積んで経済的に自立しようにも、自分の精神力と能力では超えられそうにない現実があったから、というのもあります。
それなら、「経済力のある人と結婚した方がいい」。
はっきり意識したことはありませんでしたが、この本を読んで、そう思って相手を探していた自分に気付きました。
 
少なくとも私が20代の頃は、社内の男女待遇差は厳格にあって、同期の男性と同等に働いても、出世・昇給は望めないのは見えていました。
就職して、はっきり実感。女性の業績を男性に付け替えたり、同じ業績なら、男性がいい査定をもらうってことも半ばおおっぴらにやられていましたから・・・
たった一人「女性管理職」の方がいて、同じ部署になりましたが、痛々しいほど周りの男性に気を使っていました。
「あんなに有能な人でも、女性というだけであれだけの気苦労をしなくちゃいけないなら、
私には無理。
地道に頑張った業績すら、男性に横取りされるのも覚悟しなくちゃいけないなら、苦労して働き続けるのはいやだ。」と思いました。
それでなくても、人と接するのが苦手で、長時間働くのが苦痛だったのに、その苦しみを乗り越えても、「男女差別の壁」にぶち当たるなら、わざわざ苦労しようとは思いませんでした。
 
 そうは言っても、薬剤師として働けば男女差別はほとんどないわけで、やっぱり「楽に暮らせる結婚をしたい」と思っていたんですね。
 
「お金のことで苦労したくない&働き続けて、家事育児と仕事の両立でぼろぼろになりたくない」という結婚相手募集中の女性達には大いに共感します。
「俺が稼ぐし、家事・育児は俺がメインになってやるから安心して」という男性はいないと思います。
女性にそれを求めないで欲しいな~ が本音。(共稼ぎ主婦の現実って、これだと思います。)
 
 
「日本の結婚をめぐる状況」も、色々な要素が絡んではいますが、著者の言うとおり、少子化解消は無理だろうな~
がこの本を読んだ感想です。