「DV・虐待加害者の実体を知る」より
この本は、DV加害者について、とても丁寧に書かれています。
一番心に残ったのは、この「トラウマ性結びつき」の説明かもしれません。
虐待被害者が、加害者に感情的に依存しがちになる そうです。
「ストックホルム症候群」としてしられているもの。
虐待されている子供は、虐待されていない子供に比べて、親に強く依存する傾向が見られるそうです。
自分たちを苦しめた人は、本当は心の中では自分たちのことを思ってくれていて、親切で愛情溢れる人物であると主張したりする。
これって、私?
親は、本当は私のことを良く分かってくれていて、
私のことを一生懸命考えてくれている。
ただ、その表現が変で、上手く伝わらないだけ・・・
と以前は思っていました。うすうす違うと分かりながらも、認めたくなかった。
自分をこの世に送り出した人たちが、自分を愛していないなどと思いたくなかったから。
以前、母親に虐待されていた小学生が、母親に殺された事件がありました。
近所の人の証言では、虐待されても、一生懸命、いじらしくお母さんを慕っていたそうです。
以前読んだ本。
自分を拉致して、監禁し、レイプし続けた男に、
警察から保護されたとき、「おじさんありがとう!」と言った自分が許せないと書いていた女性。(被害にあったのは子供のとき)
虐待や、不当なストレスにずーっとさらされていると、ちょっとした優しさや愛情にも大喜びします。
虐待者と、その愛情の与え手が同一人物だった場合、「トラウマ性結びつき」が生じて、別れるのを更に難しくするそうです。
これは、被害者が悪いのではなく、人間心理の自然な流れが、自分の精神を守るために進む方向なだけ。
ねじれた親子関係を嘆く友達も何人かいますが、絶縁した人はいないし、
私のように、「帰省しない、会わない、電話しない」も殆どいない。
縁を切れない理由の一つがこれなんだと思います。
以前の母はともかく、父とは心の交流なんてもてないことに気付いていながら(少なくとも大学生の時は気付いていました)、それでも親を喜ばせようとあれこれやっていたのもこれなんだろうか?
よく分からないけれど、もう、目が覚めたので、大丈夫。
時々逆戻りさせようとする力が働くこともあるでしょう。
でも、それはこの「トラウマ性結びつき」のせいと分かるので、親の思う壺にはまる前に、引き返せるはず。
がんばれ、わたし。