シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

男性漂流 男たちは何におびえているか   奥田祥子著

結婚、育児、介護、老い、仕事・・・を切り口に、男性の中年の危機について書かれています。

男性たちに10年などの長い期間インタビューを続けて、経年変化を追っていて、興味深く読みました。

育児・介護については、長年女性の方が重い荷物を背負わされてきたわけで、「男性」「女性」と乱暴に平均化して比べると、「男性たちよ、君たちも今後は荷物を持ちなさい」と思ってしまうのですが、個別のケースを読むと、人それぞれの状況や悩みがあるわけで、「生きるのは楽じゃない」と思いました。

面白かったけど、今でもわからないのが、「男性機能へのこだわり」。
これは男性でないと分からないんだろうな~と思います。
中年男性が衰えを気にしてホルモン補充療法を受けたり、薬を使ったりするのは理解できるのですが、以前パート先の薬局にやって来た”70代なのに、バイアグラがどうのこうのと言い募って、「薬を使えば俺はまだまだ現役だ」なアピールをするおじいさん”に、「いい加減に枯れてください。老いた体の負担にならないように、機能も衰えているのですよ。」と思って、心底うんざりしたのを思い出しました。

男性は、「人間」である前に、「男」でなくてはならないのでしょうか?
そうだとしたら、「ご苦労さまです」と言いたいです。



それぞれの困難に直面しても、周囲とコミュニケーションをとり、今の自分にできることを地道にやった人の方が、5年後、10年後に幸せになっていたのには励まされました。
努力しても思い通りにいかないことの方が多いけれど、流れに身を任せつつもできることをやるのが大切なんですね。