「子どもの生きづらさと親子関係」 信田さよ子著
お気に入りの信田さんの本です。
内容は、他の著書ともかぶる部分も多かったのですが、
「おっ」と思ったのが、「親の原罪」についてのくだり。
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子どもを生んでしまったことは原罪なのです。こういうと「ぎょっ」とされるかもしれません。果たして、子どもたちは自分から産んでくれと私たちに頼んだでしょうか。この世に生まれてきたいと望んだのでしょうか。そうではなく、子どもたちは私たちによって生まれさせられたのです。
----------引用終わり---------
親になることで、日本社会の中で、プラスの意味で承認される利益まで享受している。
社会ルールを教える為に、「親の支配」は必要だが、必要悪と自覚して支配を行使して欲しい。
と続きます。
「勝手に産んでおいて、育ててやった、手がかかった、お金がかかったと恩を売るのはやめてください」
と思っていました。
この考えが支持されて、嬉しいです。
わんこに対して、すまなく思っているのも、この原罪なんですね。
わんこは、私のような「犬を買う人」がいるから、生まれさせられた。
親から引き離され、売られて、自分で飼い主を選べずここにいます。
私の勝手で、ここに連れてこられ、狭い部屋に閉じ込められ、避妊手術を受けさせられて子孫を残す道も断たれました。
だからせめて、大切にして、かわいがって、少しでも幸せになって欲しいと思っています。
かわいがられるためだけにここにいるのに、無視されたら、ここで生きている意味がない。
子どもに対しても、そういうスタンスも必要なんだと思います。
「子どもが欲しくて私の勝手で産みました。育てさせていただきます。」
それを巧みに「親の恩」にすりかえるのは受け入れられません。