副題:科学的事実が伝える正しいがん・生活習慣病予防
医療人の端くれだったので、薬の効き方が人種や性別によって違うことは知っていました。
それなら、全く同じ生活習慣だったとしても、なりやすい病気は人種・性別で違うということはすんなり納得できます。
問題は、どういう生活習慣や遺伝要因などが病気をおこしやすくするのか、を調べるのはとても難しいということ。
まず、多人数の情報が必要。
その情報が正確であることが前提。
年齢や性別のばらつきを”正しく”補正しないと比較できない。
こういうことがクリアできている情報でも、「個人差」が大きいので、自分に当てはまらない場合も多い。
アルコールに弱い日本人は多いけど、自分が日本人だからと言って必ずしもアルコールに弱い遺伝的体質なのかは別だしなぁ。
食事や運動だけでなく、ストレスや、トラウマがあるか(心の傷が深いと”気の持ちよう”ではなく、脳に変化が起こって、後々病気になりやすくなることもあると分かってきているらしい・・・別の脳科学者の著書から知ったことだけど)、支えとなる関係(人間関係だけでなく、信仰とか、趣味とか、心の安らぎとか、暮らしている社会がある程度安全とか・・・)があるかとか、そういうことも病気や寿命には大きく影響するようだし・・・
と考えていくと、もう、何が正しいかなんて、分かるはずがない~!と叫びたくもなります。
そういうファクターの影響を小さくするためにも多人数を長期的に調べる必要があるのですが。
と、理屈をこねて難しく考えずに「こういう傾向があるらしいよ」 とゆる~く考えて、楽しく読みました。
元ネタの論文にも辿りつけるようにしてあって、(ちゃんと元ネタを読んで確認したわけではないので何とも言えませんが)著者の思い込みでペンを走らせてはいないようです。
詳しくは本を読んでいただくとして・・・
我が家の食事・生活習慣改良のためには
・青魚、大豆製品を食べる頻度を上げる(亜麻仁油をプラスする)
・野菜をたくさん食べる今の習慣を続ける
・運動する(大腸がん、乳がんのリスクが下がるらしい)
・減塩
・ハムやソーセージなどの加工肉は極力食べない(好きなんだけど)
こういうことかな・・・。
まぁ、どこでも見かける「健康な暮らし」の指針そのままですけど。
平均を取ると、大体同じところに落ち着くようです。
その上で、自分の体調・体質・好みに合った形に改良していくのが良さそうです。
親と縁を切っているデメリットの一つは、「遺伝的要因」を探るために必要な親や親戚の病気情報が入ってこないことかも。