今は読書もお休み中で本を全部図書館に返していたのですが、順番が来たので読みました。
一般人向けの新書だから大丈夫だろう、と思ったのが甘かった…。
読んで、かなりメンタル落ちました。(悲惨な事例が出てくるわけではありません。私側の問題です)
一般向けなのと、著者は少しでも脳に後遺症が残るような虐待を受ける子供が減って欲しい、そういう子には少しでも早くケアを受けて欲しいという思いが強くおありのようで、そこへの配慮をあちこちに感じました。
虐待とは言わず、マルトリートメント(不適切な養育)と呼ぶ、とか。
他の本によると、言葉のもともとの意味では、「虐待=不適切な養育」らしいのですが、今の日本での一般的なイメージでは、虐待と呼ぶのはかなり苛烈なレベルのものだけになってしまう場合も多いからなのかも。
内容は、前半は書名の通り、虐待が子供の脳に与えるダメージについて、後半が回復支援や愛着についてでした。
虐待(私はこう呼ばせていただきます)を受けた年齢や期間・程度・虐待の種類により、ダメージを受ける脳の部位と程度が変わる、とのこと。
いやされない傷を読んだときは記憶に残らなかったのですが、聞き取り調査から虐待を受けて育ったと判断された人たちからデータを取ったそうですが、被験者は、日頃は大きな問題なく、通常の生活を送っている人たちだった、というのが、私にはかなり衝撃でした。
本人たちの心のうち、更に年月が経ってからの影響は分かりませんが、はた目には社会適応している人でも、脳のある部分の容量が少ないなど、はっきりしたデータが取れる形で脳にダメージが残っているというのは、何とも言えない寂寥感がありました。
私の脳もおかしな回路になっているんだろうな~。
愛着の話も参考になりました。
愛着障害の子どもたちは自己肯定感が極端に低く、叱られるとフリーズしてしまい、誉め言葉はなかなか心に響かないという特徴があります。
と書かれていますが、私のことだ…。自分が愛着障害なのは知っていましたけど。
自己肯定感やフリーズは多少ましになりました(と自分では思っています)が、誉め言葉が心に響かないのは全く変化なし、です。
子どもへの共感や思いやりのない親に養育されると私のようになるってことらしい…。
これも、「やっぱりそうなのね」な情報ではありますが、がっかり感半端ない。
アラフィフのおばちゃんはどうすればいいんですか?
脳は可塑性があるとされているので、適切なケアを根気強く続ければ、多少の変化はあるのかもしれませんけど、でもねぇ…道のりがあまりに険しく、遠すぎる感に圧倒されたからって、誰も私を責めることは出来まいよ。
・・・という感じで、読みながらかなり気持ちが落ちました。(本の内容が悪いのではなく、分かりやすく簡潔だからこそ、ごまかしようがなく迫ってきた感じです。)
自分の中で、確かに自分は精神的虐待を受けて育ったけど、どの程度だったのかな?自分で大げさに言っているだけなのかな?と思う部分もありましたが、今も引きずるはっきりした後遺症を数々を考えると、「画像診断したら、虐待経験のない人との有意差が出るくらいの変化が脳に残っているレベル」なんじゃないか-それなりに酷かった-と思う今日この頃です。