シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

99歳、ひとりを生きる。ケタ外れの好奇心で 堀文子著

著者は画家です。
以前インタビュー番組で見て、大正生まれで自分の好きなことを貫いてきた人は、やはり違うと感じたことをふと思い出し、読んでみました。文章量は少なく、読みやすい本でした。著者の作品もカラーで紹介されています。

40過ぎで夫と死別したそうですが、「40歳になって、初めて自由というものを知りました」と書いていて、死別後のあれこれが落ち着いたら、自分の手にあったのは「自由だった」という事なのかな。
依存心が強くて、自分の老い先の心配ばかりになる人もいるのに、そこからが自分の人生だと思えるのは、相応の覚悟もあるのでしょう。見習いたいです。簡単にできることじゃないですが、「できた人もいる」と知ったのは、励みになります。先輩がいるわけですから。

私の場合は、やはり親と絶縁してからが新しい人生と言えるわけで、まだ2歳。
あまり長生きしたいとは思いませんが、成人式は目指してもいいのかもしれません。

そんな強さを持った著者でも、50歳ごろは観念的な「死」にとらわれて、2年位は眠れない日々も過ごしたとかで、誰でもずーっと強くて活動できだったり、逆に、ずっと沈んで廃人だったりはしないんだな、波があるのが自然なんだな、と改めて思いました。

面白かったのは、実体験重視で生きてきたけれど、本を読むようになって、もっと読んでおけば良かったと思いながら読書に励んでいるというくだり。
自分が読書が好きなので、なんだかうれしい。

気に入ったことば:

わたくしたちがものを考えるのは、
絶望したときです。
至難のあとに、必ず次の発展があります。