どうしてこの本を読もうと思ったのかは忘れました。
白夜は体験してみたいと思ったことがあるけど、極夜は何だか恐ろしくて体験したいと思ったこともなかったな~、程度で読み始めました。
冒険もののノンフィクションは初めてでしたが、ぐいぐい引き込まれて一気に読みました。
一人ぼっちで4か月ってどんななのかな~と思いましたが、「一人であること」についてはほぼスルー。
冒険を重ねてきたご本人にとっては、あまりに当たり前のシチュエーションなのでしょう。
私が一番心に残ったのはわんこのこと。
食料や物資をあらかじめ備蓄しておいた「デポ」が白熊に荒らされて食料が底をつきかけ、自分も疲弊していくし、わんこもどんどん痩せていく。
最初は自分の食料を分けてやってもこの犬を生きたまま連れ帰るぞ!と思ったのに、次第に「最終食料」としてカウントするようになっていく-。
自分でも究極の場面になれば、そうなると簡単に想像できるし、それが厳しい自然の中で生き延びるってことなんだろうな、とも思いました。
旅の苦楽を共にしてきた仲間を殺して食べるのは一見残酷なようですが、飽きたからとか、引っ越し先がペット不可だからとか、意味不明の言い訳でペットを捨てる一般人の方がよほど残酷で理不尽だな、と思いました。(著者も似たようなことを言っていました)
幸い、途中で食料が手に入り、わんこも無事に帰還します。
著者は、そりを引くとか、白熊対策の番犬だとかの実利以外に、わんこの存在そのものが自分を助けてくれていたという趣旨のことを言っていますが、あぁ、そうなんだよね…と納得もしました。
私個人は、照明のない夜=闇すら経験がないので、何か月も闇が続く世界を想像してもよく分からないのもあって、数か月の極夜の後に太陽と再会する場面より、
まぁ、こういう読み方をする人もいるということで(笑)
やっぱりわんこと暮らしたいなぁ、がこの本の感想です。