シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

日本人の「お金の使いかた」図鑑  インタービジョン21著

お金のことが気になる今日この頃。図表が多く、隙間時間にちらちら見るのにちょうどいい娯楽本。
でも、データ出典がちゃんと書いてあって、信頼を担保しているのが良かったです。

私が気になったのは、やはり「家事の対価
アメリカの人材サービス会社の試算では専業主婦の年収は「1400万」だそうで・・・子育てまで含めてすべてをプロにお任せしたら、こうなるかな。全てをプロレベルの質でやって、マネジメントも全部丸投げなら。
現実の専業主婦で全てがプロレベルの人はいないだろうけど・・・。
主婦へのアンケートでは月15~20万という人が多かったそうです。

自分で、自分のやっている主婦業の対価を考えると、実際の家事労働に対しては、今なら月20万くらい。二人家族だから労働量は少ないけど、休みがない、待機時間が意外と多い、自由そうでいて、帰宅時間の制限とか、自分が出かける時の夫の食事の心配まであるとなると、この位。
今は、割とまめに料理もして、夫帰宅後10分以内に夕食が並ぶし、お酒の在庫管理までやって、お金の管理もちゃんとやり始めたし、まぁ、この位の対価は要求したい。
マネジメント料が月5万。現在の支出調節だけでなく、将来のライフプランまで夫は丸投げだし、夫は趣味の私物の管理以外はやらないから、マネジメント料は必須。
夫実家関係の仕事は、義母の遺産をもらっているからいいけど、それがなかったら、一回当たり10万円+時給1万円! 精神的な負荷が大きいので、最低でもこれくらいは貰わないと納得いかない。だって、私が自分の親がどんなに嫌いかを知っていても、夫が代わりに私の実家関係の業務をやってくれるわけじゃないから。


家計の金融資産構成
アメリカとユーロ圏との比較もありました。アメリカは株などへの投資が多く、日本は貯金が多い。
ユーロ圏はその間な感じ。
著者も私と同じ感覚。政府や金融機関は熱心に投資を呼びかけるけど、リスク負って、財産失うのは私。日本人はそれが分かっているから投資には慎重なんじゃないかな?という意見。
狩猟民族系と農耕民族系の違いもあるんだろうか。アメリカが狩猟民族系かは知りませんが。


一生働かなくてもいいお金があったら何をする?
今手に入ったら、パートで社会復帰計画は白紙にして、わんこと暮らす。
半分くらいの人は、「働く」のだそうです。
私の場合は、お金が手に入っても、全部プロに頼むことはしないから、家事はやるからやっぱり「働く」なんだろうか? 可能なら働きたくないんですけど…。


夫・妻の価値をお金に換算すると?
男女250人ずつに聞いたケースでは、男女とも「お金に表せないくらい価値がある」がダントツで多いのですが・・・
0~99万円以下を「夫の価値」とした人 31人(12%)、妻の価値だと13人(5%)。
これを0~999万円以下に広げると、女性は51人(20%)、男性は21人(8%)
女性の方がパートナーの価値を低く見ています。これ、しょうがない。
平均すると、女性の方が抑圧されていて、負担が重く、経済的な事情などから「離婚できない(その後の苦労と天秤にかけるとしたくない)」とストレス溜めている人が多いよなぁ。

12%の女性が、夫には最低限の葬式代くらいの価値しかないと思っているのが笑える。
他の情報(雑誌など)の記憶をたどると、
   夫とは同じ墓に入りたくない
   定年後、夫と時間・趣味を共有したくない
   生まれ変わっても今の夫とは結婚したくない
   一番断捨離したいもの「夫」                    こう答える女性が多いからなぁ。

逆に自分が夫に断捨離されないようにしないと。私の場合は、夫に経済面だけでなく、精神的にも依存しているから、捨てられると困ります(笑)・・・いや、笑い事じゃない。

惜しいな、と思うのが、実際に家事を手伝うとかまでしなくても、ちょっとしたリップサービスだけで、妻のご機嫌は凄く良くなって、待遇もよくなるのに、分かっていない男性諸氏が多いこと。
熟年離婚や家庭内別居で家事放棄されるのが嫌なら、月に数回でいいから、妻をねぎらおう!


わんこ飼育費
これ、アンケート結果からデータを持ってきているから、著者に文句は言えないのでしょうが、月1万円って何それ!と叫んでしまいました。
このデータをうのみにしてわんこを飼い始める人がいたら、まずいですよ。「お金がかかりすぎるから飼育放棄」とか、「最低限の苦痛を取り除くための医療すら受けさせない虐待」とか、発生しそう。
我が家はわんこにお金をかなりかけた方ですが、そうでなくても、高齢期になると人間と同じく医療費かかるから、生涯飼育費最低350万くらい(できれば500万)は覚悟してもらいたいっ!!


なかなか興味深い数値の並んだ本でした。