シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

「逃げ恥」にみる結婚の経済学 白河桃子・是枝俊悟著 その2

アラフィフ主婦の私にも役に立つ情報もありました。

税金や年金について

・一人が年収800万稼ぐ夫婦と、一人400万ずつ稼ぐ夫婦は将来の夫婦の年金額合計は同じ。
 年金に関しては、「夫を支えてきたからOKだ」でいいようです。一安心

一人が年収800万稼ぐ夫婦と、一人400万ずつ稼ぐ夫婦では、一人400万ずつ稼ぐ夫婦の方が税金などはかなり少なくて済む。

所得税+住民税の合計
  一人が年収800万稼ぐ夫婦    年81.6万
  一人年収400万ずつ稼ぐ夫婦   年52.4万

ガーン、こんなに違うんだ・・・。年29万も違います。10年で290万。シャレにならない。
これが私が専業主婦でいる経費という事か!!

まぁ、私の場合は、フルタイムで働いて年400万稼ぐことが出来たとしても、数年で心を病む(膨大な医療費がかかる)か、仕事のストレスで暗くなって夫婦関係がこじれ離婚になりそうだから・・・気休めの言い訳ではなく、これは”現実的な予想”だから、「ふ~ん」くらいに留めておこう。


家事レベルについて
趣味的家事と必要な家事を分けようという提案には、目からうろこでした。
本で例に挙げられていたのは「食器洗い」
・自然乾燥しかダメ。水が切れるように、水切り籠への置き方も工夫=趣味
・洗って、すぐに次に使えるような状態にしておく=最低限

夫が家事をやりたくない理由が、私の「趣味的家事レベル」に合わせることを強要されるから、というのがあるようなのです。大いに反省。夫定年後は少しずつ覚えてもらうつもりですが、話し合って、一つずつ「最低限」にしないと、です。

食器洗いで言えば、既に「食洗機対応」で「汚れ落ちがいい浅い食器」が殆どですが、グラスは食洗機対応でもだんだん曇ってくるので手洗いしています。夫に参戦してもらうには、雲ってくることには目をつぶって定期的に買いかえるか、グラスは私が洗う係にするか、でしょうね。

専業主婦最大リスクは「離婚」
やっぱり。まぁ、改めて言われるまでもなく自覚していますけど。
少しでも将来リスクを減らそうと資格を取ったのですが、この年齢でもパートだったら仕事はありそうです。パートでも時給はいいので、生きるためにと、私にとっての最大労働:週30時間働いて、「貯金は出来ないけど、ぎりぎり食べてはいける」レベルで収入を確保しつつ、人生設計を考える・・・も、まだ可能です。
これが、10年後の定年離婚になると、もう貧困に転落どころか、「餓死」まで視野に入ってきます。真面目な話、笑えない・・・。

こういうリスク承知で専業主婦でいるのに、「働いていないから暇でしょ?」と、介護やら何やらを押し付けて専業主婦の時間を盗もうとする輩が世の中に多すぎる!!と声を大にして叫びたい!



この本を読んで思ったのは、私が将来をぼんやり考え始めた10代のころ(1980年代)は、働こうにも働き続けるのは難しい現実-男女差別や女性はせいぜい5年で辞めるのが前提の会社の採用の現実にげんなりしていましたが、今は逆に「専業主婦」という選択のリスクが凄く大きくなっていて、これから道を選ぶ人たちは大変だな~ということです。
昔に戻る方がいいとは、全く!思いません。が、昔の方が良かった面が一つだけあって、「社会のせい」にできたこと。
今は、「あなたの選択の結果でしょ」になりがちだから(実際は決してそうではないのですが)、選ぶ時もしんどいだろうな~と想像します。

この本でも、「女性の方から男性に働きかけましょう」とあり、それにもため息でした。
現実はそうだと思います。乱暴に平均化すると、男性の方が変化に弱く、実生活の現実を見て対応しようとしない面が強いんですよね…。そういう風に教育されたのか、男性脳の問題なのか、両方の複合体なのか分かりませんが。
女性は脳システムの中に、「様子なんか見ていたら子供が死ぬ!」切迫感で情報収集して即座に対処!変化上等!(子供を失うことを考えたら、どんな変化も受け入れる対応力)な部分が男性よりもあるんだろうか? 単なる想像ですけど。


なかなか読み応えのある、いい本でした。