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「逃げ恥」にみる結婚の経済学 白河桃子・是枝俊悟著 その1

題名通りの本。お金問題が気になる今日この頃、参考になるかと読みました。
現代日本の結婚を経済で語る面白い本でした。

夫が稼ぎ、妻が専業主婦になって家事・育児を分担する「昭和型結婚」は今の世に合わなくなっています。では、家事などの”無償労働”や”収入確保”の分担をどうするかを考える時の「お金という切り口」での資料を提供してくれる本でした。

我が家の場合は、「昭和型結婚」が一番現実的な選択なのは分かっています。
家事をしたくない夫(そのためなら、妻の収入は全額妻の小遣いでいいし、自分は小遣い制でいいと言う)と金銭労働したくない妻の組み合わせですから。

役に立つ数字もいろいろとありました。
35歳未満の子供のいない主婦世帯の一週間の家事時間:32.7時間だそうです。
育児や介護をやっている人は当然もっと多くなります。
今の自分の家事時間が一日4時間40分かと言われると、平均するとそのくらいな気もするし、考えたり(料理のレシピを調べるとか、投資先を検討するとか、夫実家のあれこれの采配を思案するとか)、待機したり(夕食準備は終わったけど、夫の帰宅を待つ10~20分とか)を考えると、どうなのかな?という気もします。


家事(無償労働)をするのに時間をまわすために、賃金労働して得ることが出来なかった収入を「機会費用」と考える方法もあるそうで、私の場合、この辺の薬剤師パートの時給相場は2000円以上なので、家事をする代わりに外で働くと、年収340万。私が外で働く気満々なのに、家事を引き受けるせいでそれが出来ないでいる場合は、夫婦で大損していることになりますね。家事を半分ずつ分担しても、私も家事をやるわけで、単純にこの額が世帯収入に上乗せされるわけではないし、夫が家事を分担するために働きレベル低下→年収低下も起こるでしょうから、単純計算は出来ませんが。

こういう風に考えていくと、子供のいない夫婦の場合は、夫の年収が600万くらいはないと、専業主婦になるのは”割に合わない(世間相場の時給労働に相当しない)”ことになり、就学前の子供がいる場合(子育てに週28時間)は、1250万以上の収入がある人でないと、「専業主婦(夫)をやって」と言うのは、搾取になるそうです。
う~ん、言う気は全くないけど、私が夫に「主夫よろしく」を言える日は来ませんね。

わんこがいた頃、わんこの世話に毎日3~4時間(週21~28時間)はかけていました。
「わんこは自分がお願いして迎えた子だから、殆どの世話を自分がすることに不満もないけど、これが”二人の子供”だったら、ブチ切れるな~」と時々思いましたが、実はある意味まっとうな感覚だったんですね。
だって、「ワンオペ育児」を頼むには、「年収1250万以上」必要なんですから(笑)
具体的な根拠がなくても、「やってられない」と感じるのには、実はまっとうな根拠があるようです。