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【新訳】鉄舟随感録

【新訳】鉄舟随感録 「剣禅一如」の精髄を極める   阿部正人編著、渡辺誠 編訳

鉄舟さんは歴史上の人物としてちらと聞いたことがある程度でしたが、剣の道と禅とを極めた豪傑と聞いて、読んでみました。
私のようにベースの知識がない人には丁度いい、入門書。
明治維新前後の時代背景の説明や、現代語訳と解説があるのもありがたかったです。

いくつか気になったところを記録しておくと-

真の「豪」とは、覚悟が初めにあって、これを大いに発揮することではないのだ。覚悟するより先に、既に思いを決している如きものである。

う~ん、何となくのイメージは浮かぶのですが、この境地は遠い・・・。

どんなに恐ろしいことであっても、それに慣れるように心を矯正し、習慣性を強いて深めるならば、これに対して鳥肌も立たず、瞬きもしなくなることが、ついには自然にできるようになるのである。

この暴露療法なら、私にも少しは出来るかな?と思いました。
私の場合は、対人恐怖ですけど。
少し親しくなって相手の考え方の傾向などが分かってくると、深読みが始まって、「相手に合わせなくては」とか、「相手が不満に思っているんじゃないか」とかの自滅思考が湧き始め、酷く疲れるのが私のいつものパターンです。
自分の感情を湧くままに置いておこうとするように、他者の気持ちもただ置いておけばいいと理性では思うのですが・・・それをどうするかは相手の自由で、こちらが勝手に気づかいという名の独りよがりな解釈をして反応を返すのも、私が望むコミュニケーションとは違うよな…と思うのすが、実践には至っていません。
多少は他人と接して修行しないとダメなんだろうな・・・逆に、修行して慣れれば少しずつでもマシになるのかもしれない、と思いました。


ネガティブケイパビリティに通じるくだりもありました。
千変万化する物事に対して、微動もしないこと。難局に耐え忍ぶこと。それでいて、余裕綽々として、その難局の中に座を占めておくこと。

言うは易し、行うは難し。