シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

死に逝く人は何を想うのか 佐藤由美子著

副題:遺される家族にできること

グリーフについての記述もあり、参考になるかと読んでみました。

書名の通り、亡くなっていく人が死ぬ前にどういう思いでいるのか、側にいる親しい人はどう接すればいいのか、がメインでした。
この手の本は何冊も読んでいますが、本当に人それぞれの人生があるように、それぞれの旅立ちがあるな・・・と思います。
思い残すことが少ないように、とは思いますが、その時になってみないと自覚できないこともあるだろうし、結局は、その時その時、自分の気持ちに正直に生きていく先に、「まぁ、悪くない人生だった」と逝ける瞬間があるのかな~と思いました。

側で見守る立場の時、「できるだけ本人の気持ちを尊重したい」と思いますが、言いやすい雰囲気を作れるのか、話す元気もない時にどうするのか・・・自分の人としての深みが試されると感じました。
わんこの闘病中、出来るだけ穏やかに優しくしようと努力はしたけど、わんこはどう感じていたのかな…。私が予期悲嘆で追い詰められているのは感じただろうし、出来るだけ側にいたのも私の自己満足で、わんこは一人になりたい時もたくさんあったのかもしれません。
でも、「何があっても飼い主は自分を見捨てない」と感じてくれていたらいいな、と思います。


遺族の気持ちとして、
「今日妻と会うことができない、という事実は受けとめることができる。でも、彼女と一生会えないという事実を受けとめることができない。」
とありましたが、自分も同じ気持ちな気がします。
わんこが逝ってしまったことは分かっていても、ずっと会えないという現実は見たくない・・・。
見なくても、状況は変わらないんですけどね。それも分かっていても、考えたくないです。
年に一度でも、「夢で会える日」とかあればいいのにな・・・。


紹介されていたトルストイの言葉
「強く愛することができる人だけが、大きな悲しみを経験する。しかし、その愛こそがグリーフを乗り越える力となる」

まだまだ時間がかかりそうです。