シンプルライフへの遠い道

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障害者は「家族の恥」?

以前、精神疾患の家族のことを話した人に対して、「あまり親しくないのにそんな話をするなんてドン引きした」と言っていた友人。
先日は、仕事の部下に家族のことを聞いたら、きょうだいに重度障害者がいると言われて「ドン引きした」と言いました。
どうやら、それは「家族の恥」であり、「よほど親しくなければ言うべきではないこと」という考えのようでした。目上の人の質問に素直に答えたらドン引きされてもな・・・。

私は、障害だろうが、精神疾患だろうが、「個性」や「持病」の域で、聞かされた方が、言った人を「どうしてそういうこと言うかな~」と非難することではないという考えです。・・・自分には重い話で相手をしたくないと思えば、さりげなくスルーするのはありだと思いますが、情報を開示するのは自由だと思う。もちろんタイミングなどはありますが・・・。

友人本人のきょうだいは離婚歴のあるシングルマザーで、そのことは一部の親しい友人にしか話していないそうです。
理由は「我が家の恥だから」
う~ん・・・じゃあ、きょうだいの子供は、堂々と紹介できない「恥ずかしい存在」なんだろうか?
その子をかわいい身内として大事にしていることは知っていますが、親の離婚のことを隠さなくてはいけないという空気がその子に与える影響をどう考えているんだろう・・・。
本人がある程度の年齢になったら、本人の気持ち優先な気もする。
今は離婚は珍しくもないし、子供が引け目を感じることでもないのにな~と思う。

「家族の恥」意識が、「秘密」を作るし、友人本人も、シングルマザーのきょうだいといざこざが起こった時、周囲に相談したり、愚痴を聞いてもらいたくても、その背景を話さなくてはいけなくなるから言えないようです。・・・そういう形で自分の首を絞めているようにも私には見えます。


少数派な現実(病気にしても、障害にしても)や、深刻なこと(生死の話とか)は、勇気を出して話しても、心無いことを言われて傷つく場合も多い。
子供が絡むと、「このことがオープンになったせいでいじめられたらどうしよう」という心配が常に付きまとう。
だから、「言うかどうかを決めるのは当事者」でいいと思う。無理に言う必要はない。

でも、聞かされたら、言ったことを非難するんじゃなくて、せめてやんわりスルーする・・・相手の性格によっては、「ごめんね、私はその話の聞き役にはなれそうにない」とはっきり言う・・・そういう人が多い社会の方が生きやすいんじゃないかと思う。
相手の個人情報を聞かされたことを非難するって・・・「私が対応したくない話題は出さないように配慮せよ」っていう甘えの気がする。

「気楽に話題に出来ないこと」そのものが、心の傷を深くしていくから。
この友人は色々な話が出来る親しい人だけに、内心私の義兄・義姉の心の病のことも、「家族の恥を良く堂々と話すよな・・・」と冷たい目で見ているのかも、と思うと、ちょっとさみしいものがある。
まぁ、それは、相手の感性だからどうしようもないけど。