シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

20代で隠居   大原扁理著

副題:週休5日の快適生活

著者は週2日、福祉関係で働き、他はのんびり隠居生活。
この生活の様子・心境と、この生活に至った経緯についての本。

こういう生活して、すごいでしょ! みたいな自慢・押しつけ感がなく、
「自分に合う生き方を模索し続けたら、現時点ではこんな感じになってます。」
なスタンスが、とても心地よく、楽しく読ませていただきました。

月7万でよく暮らせるな~とか、老い先の備えはどうするんだろう?とか、表面的なことは横に置いて(人それぞれだから)、自分の感覚を大事にして、自分のやりたいように変化していく生き方は、是非自分も実践したいな~と思いました。

私も徐々に世の基準より、自分軸で考えるように気を付けるようになりましたが、それでもまだまだ・・・。

著者は、隠居生活を続けるには、自分と向き合って、自分を掘り下げていく、ちょいと面倒でしんどい作業は省けない、という主旨のことを言っていますが、そうだろうな、と思います。
この作業が苦しくなって、「まぁ、習い事でもして(仕事でもやって)暇をつぶして誤魔化すか」に流れがち。
自分を掘っていくと、見たくない自分がどんどん出てくる場面がありますから・・・。

著者は高校卒業後、3年ほど、バイトはしていたものの、人付き合いを避けて、引きこもって楽しく暮らしていたそうです。その間に、自分にとっては不要なものごとをどんどん削って、自分にとっての快適生活は何かに近づいて行ったそうで・・・私には、今の「人生の秋休み」がそうなのかな、と感じました。

私も、ちょっとさみしいからって、安易に何か(仕事でも、ペットでも、新たな趣味でも)を加えるんじゃなくて、まずは引き算?
わんこの一周忌を区切りに、再出発しなくちゃ!な気持ちになりかけていましたが、締め切りを作るのは止めよう。自然に、「その時」が来るはずだから。

ざっくり予想してみても、次に動き出したら、しばらくは今のような形では止まれません。
わんこを飼ったら、10年以上世話で忙しくなるし、
仕事を始めたら(いつでも辞めてもいいんだけど)あれこれ悩みやストレスや刺激が増えるし、
そうこうしているうちに、要介護5になった義父に何かあったり、高血圧で検査入院した義兄の健康問題が出てきたり、自分の親がごたごたし始めたり(無視するにもエネルギーが要るだろう)、自分や夫に何かあったり、予期せぬイベントも起こるだろうし。

次に一息つくのは、わんこを看取った時か、夫が退職して、本当に「老い先」を考える時か・・・。
そこにたどり着けるのかも分かりませんし。

出来ればもう少しスピードアップはしたいけど、身辺整理を進めつつ、自分を掘りつつ、な時間を大事に、「秋休み」を満喫しようと思わせてくれた1冊でした。