シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

もう親を捨てるしかない  島田裕巳著

副題:介護・葬式・遺産は、要らない 
親子共倒れにならないためには、親が要介護になる前に、親子それぞれ自立し、自分の人生は自分で何とかする関係を作っておくのが生き延びる道、というのが著者の主張(と私は解釈しました)

自分の考えを上手にまとめてもらった感じの本です。

・医療の進歩などで、介護期間は長くなり、介護が大変な時期も長くなり、働きながら介護を続けるのは困難な要介護者が増えている 
一人の介護者の負担が重くなりすぎる現在の家族構成 → 介護離職して、子世代は親の死後、貧困に

・「子供に迷惑をかけたくない」と終活をしている人も、本音では介護は子供に頼りたいのでは?(財産整理や墓の準備はしても、”介護はしなくていい”と宣言する親は殆どいない) 

・親の全財産や、地縁・仕事などを長男がもらう代わりに、親の世話をした昔と違い、今は、親から受け取るものが少ない→どうして介護を背負い込まなきゃいけないの?


時代は変わったんだから、意識を変えて、現実に対処しないと、介護殺人などの悲劇は絶えませんよ? ということらしい。

深く同意します。

姉の義父母は、施設に入って、「子供に迷惑をかけない」を実践したのかな? と思いますが・・・少なくとも私の母親は、「子供に迷惑をかけない=要介護でない間は、夫婦で助け合って生活する」という当たり前のことしか考えておらず、高齢になったら当然子供に助けてもらいたい(助けてもらえる)と、長男・次女に絶縁された今でも思っています。めでたい人だ。

自分も子供がいたら、年を重ねるごとに、甘えたくなるんだろうな~~と思うので、子供がいなくて良かったのかも。

著者は、パラサイトシングルで下手に親と同居し続けていると、親が要介護になった時に逃げられなくなるので、早いうちから親離れ、子離れしましょう、と言っています。
この視点で行くと、私は親と縁を切って良かったんだな~とつくづく思います。
同居の有無に関わらず、それまでずっと交流があったのに、要介護になったとたん、「知らん」というのはちょっと抵抗がありますから。(親には何度もやられましたけど)

自立したくても、雇用が不安定で、難しいことも多いし、「こうすれば解決!」とはいかない難問ではありますが・・・
「子供が親の世話をするのは当然」という考えは消滅してほしいです。