シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

しあわせのねだん  角田光代著

エッセイ集。

気になったのは・・・
20代で使ったお金は、30代に生きてくるなぁ、というお話。
日本で暮らすと多くの場合、何かを経験するのにはお金がかかるので、「何にお金を割いたか」は、積み重ねた経験、に近いのかも。(ひたすら、お金をかけない楽しみ方を追求した・・っていうのもありえますが)
ガッツリ貯金してます!と言った人は、中身がないなぁ、と思った・・・というのには、ドキリとしました。
自分としては、必要なものにはお金も時間も使うし、貯金の為に楽しみを削るってことはあまりしていないつもりではありますが、貯めるより、使う方が下手だという自覚があるせいだと思います。

義父母は、たんまり貯金を残して、使わないまま、です。(義母は他界、義父は認知症で施設にいて、資産は後見人さんが管理しているので、義父の娯楽のための出費は今後はないでしょう)
無職で精神障害のある義兄の今後の生活費を考えると、「遺してくれてありがとう」ですが、義父母の生涯収支バランスとしてはどうなのかな・・・と思わなくもないです。
今、老犬の里親になるか迷い中です。
ペット保険には入れない年齢なので、医療費がこの先、数百万かかるかも、です。
慣れた頃に旅立ってしまい、「ペットロス再び」になるかも・・・ですし。
でもなぁ、「縁」を感じるなら、それに乗ってもいいのかも、と思いました。
・・・・・この件は、夫が私がまたペットロスになるのを心配して反対しているし、実現可能性は低いですけど。


お金の使い方と心の状態はリンクしている、というお話。
30万以上のテーブルを衝動買いしたことがあるそうで、そういう時は何かがしんどいんだなぁ、ってことに気づいて、今は、衝動買いしそうになったら、「何がきついのか」自問するようになったそうです。
自分のことみたい(笑)

パートで働いていた頃は、小金もあったし、仕事のストレス以外に、毒親のことでも悩んでいたせいもあってか、買い物依存状態でした。
今は、無職なので働くストレスはないし、毒親のこともかなり吹っ切れたし・・・ってこともあってか、お金とは程よい付き合いが出来ている気がします。
買い物などでストレス解消できるなら使う意味がありますが、それって一瞬のまやかしで、問題そのものは残っているので、「無駄な投資」なんですよね・・・。


レビューでは、母親親孝行温泉旅行の話が好印象だった、という人がちらほらいましたが、私は「ふ~ん」でした。「こういう風に感じる人もいるんだね~」で終わり。
以前は、母方祖母は娘たちとあちこち旅行して孝行してもらっていたけど、うちの母親はないな~。自業自得とはいえ、本人はちょっと寂しいのかもな~と思っていました。
この本を読んで、「今は、こういう、”仕方ないけど、孝行してないな”っていうのもずいぶん薄くなったな~。」と感じました。いい傾向です。



まぁ、それにしても、お金との付き合い方の難しいことと言ったら。