シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

優雅な暮らしにおカネは要らない アレクサンダー・フォン・シェーンブルク著

原書は2005年に書かれた本ですが、内容の大筋はシンプルライフ指南書でした。
著者はリストラで失業し、フリーランスになった記者さん。貴族の血筋だそうです。

特に考えもせず、広告に流されたり、見栄を張ったり、周りの人に合わせたりしておカネを使ってきたライフスタイルを、ちょっと立ち止まって考えてみませんか? な感じで、著者は失業したからと言って、今月の家賃をどうしようとか、子供の学費が払えず退学になるかもと心配するほど困窮はしていないようでした。

う~ん、今の日本だと、「年収500万の独身サラリーマンが、年収350万になっちゃったけど、出費を見直して、本当の満足を追求すれば、十分幸せに暮らしていけるよ」くらいの感覚でしょうか。


貴族の末裔だからか、「労働は必要悪」と言っているのが興味を引きました。
生活のために働く必要があるにしろ、それは「神聖な活動」ではないそうで。
労働の善悪や神聖さは私には判断できませんが、直接金銭を得る労働をしていないと低く見られる今の日本は私には居づらいのは確かです。労働の価値基準が給料だけではない社会になってほしい(笑)・・・・私は、今は、社会に何の貢献もしていないと言われたらそれまでですけど。

金銭労働をしている人のほとんどが、自分の仕事にやりがいと誇りを持って取り組んでいて、日々充実していて幸せなら、「この幸福な立場に身を置かないのはいかがなものか」と言われるのも分かるけれど、逆が多い気がする・・・。
「自分がこんなに苦しみながら働いているんだから、お前もこの苦界に来い」?
少なくとも、労働に対する考え方も時代や地域によって変わっていくので、今の自分の周りの価値観に無理に合わせる必要はないな、と思えて励まされました。


私の買い物病についても・・・「手に入れる前の、期待でわくわくしている時が一番幸せで、手に入れたら退屈になる」・・・よく言われるこのことは、既にサルを使った動物実験でも実証されているそうです。
そうか、買い物依存のメカニズムは「科学的に証明されていること」なのか。納得。

少なくとも薬物やアルコール依存の場合、依存症になってしまったら、「適量と上手に付き合っていく」ことは不可能です。買い物やギャンブル依存もそうだろうから、「生活(生きていくため)に本当に必要な最小限の物しか買わない」と決めてしまう方が、物欲に悩まされるよりも、楽で、幸せなのかもしれないと思いました。
幸い(?)、今は無駄遣いできる経済状態ではないので、少なくとも年内は、「本当に必要なもの」しか買わないで過ごそうと思います。

せっかく断捨離しているのに、次々買っていたら、また”捨てるか悩むもの”が増えるだけですから。