シンプルライフへの遠い道

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死を学ぶ 柏木哲夫著

わんことの別れも遠くないと思いながら過ごしていた時期に、姉の義父が亡くなり、読んだ本です。
1995年の本なので、病名告知など、今ではかなり変化している部分もありますが、参考になりました。
著者はホスピス医です。

色々な本で「死の準備教育が必要」と書かれていて、自分にも必要だとは思いながら、一体何をすればいいの? と疑問でした。

この本で、夫を突然亡くしたアメリカ女性が、「数年前に死別後の悲嘆について書かれた本を読んだことがあり、夫の死後、また読み返した。今のこの気持ちは、配偶者の死後誰でも経験することで、異常でもなんでもないことが分かっただけでも本を読んでおいてよかった。」という主旨のことを言ったそうで、
死別後、どういう気持ちが起こりやすいのか、
時間とともにどう変化していくことが多いのか、 だけでも知っておくと、
少なくとも、
「こんな風に感じる自分はおかしいんじゃないか。」
「この苦しい状態が永遠に続くんじゃないか。」
 とは思わずに済む・・・・ことが、「死の準備教育」なのかな、と思いました。

自分が死んでいく場合でも、
色々な感情が沸き起こってくるのは自然なことで、こういう対処法もある、
こういう考え方をしてみると、気が楽になるかもしれない、
  と知っていると、「今自分は死ぬ準備をしているんだ」と半歩離れて自分を見ることが出来て、
  少しは気持ちが落ち着きやすくなるのかもしれません。

予期悲嘆をしっかり嘆き悲しんだ人たちの方が、大事な人が亡くなった後の立ち直りが早いそうです。
他の人が書いていたことを思い出します。
死別の悲嘆は高い税金に似ている。支払いを免れることは出来ないのだから、死別後一度に払うより、事前に少しずつ払っておいた方がいい。

わんこがリンパ腫になってから、ずっと予期悲嘆がありましたが、心の準備、という意味では、必要な時期だったのかな、とも思います。
   ・・・こう思えるのは、わんこが長患いで苦しまずに旅立てたから、ですけど。