シンプルライフへの遠い道

心穏やかな暮らしを目指して奮闘中

この世に命を授かりもうして  酒井雄さい著

比叡山千日回峰行を2回成し遂げた高僧のインタビュー。
先日読んだ、寂聴さんの死に支度にこの本が紹介されていて、読んでみました。

わんことの別れが遠くない気がして、死や喪失についての本をあれこれ読んでいた時期でもありました。

亡くなる数週間前のインタビューですが、死については淡々と受け入れている風で、最晩年をこんな心境で過ごせたら、人生成功だな、と思いました。

以前は、特に悟りを開いたとか、特別な行を成し遂げた高僧は、人と神仏の間くらいの存在になっていて、私のようにあれこれやっかいな感情が湧いたりしないんだろうと勝手に思っていました。

どうやらそうではなく、色々な変化や困難、自分の厄介な感情などとの付き合い方を心得ているので、余計な悩みなどがほとんどない境地にいる人たち、のようです。

酒井さんは癌で、治療開始が遅れたため、手術したものの転移し、余命宣告を受けている状態でした。
現実を、まぁしょうがないね、と受け入れ、こうやって過ごせるのはありがたいこと、と感謝を忘れず過ごす― 簡単にできることではないです。


呼吸と歩調を合わせて歩くと、気持ちも落ち着くし、くよくよしなくなる・・・とにかく動くことが大事だそうです。

いま、わんこを亡くしてとても悲しいので、この言葉を頭の隅に置いて、出来るだけゆっくり深く呼吸したり、体を動かすようにお掃除や片づけをしたりしています。


一番心に残ったのは、「仏さまとの約束と思えば破れない」というお話。
物事をやり通すには、毎日、同じ時間に、同じことを、同じペースでやる習慣をつければいいけれど、多くの人があれこれ言い訳してサボる。
自分は坊さんだから、自分が「やる!」と言ったら、それは仏さまとの約束だから破れない。

私もわんこの世話だけは、「大事にすると約束して迎えたのだから」と体がしんどくても、わんこが病気になって精神的に辛かったときも、出来る限りのことはしてきました。
でも、他のこと(働いていた頃の仕事関係の勉強やら、片づけやら、趣味の教室の宿題やら)は、あれこれ言い訳して、先延ばし&中途半端なまま、今に至っています。

いかんです。
私は信心は薄いので、わんこと約束しよう。わんことの約束なら、守れる気がします。
「自分で納得できるレベルまでスッキリ身辺整理して、再出発する」と。