この方が、90歳を超えて、自分の死をどう思って暮らしているのかな~と興味がわいて読みました。
私の倍近い年齢。もし、自分がボケもせず、90代に突入したら、どういう考えで、どういう生活しているのかなんて、想像もできません。
ですが、運良く日々を積み重ねることが出来たら、その先に90代があるんだな~(突然30年くらい飛ぶわけじゃない)と分かって、老いる不安も少し減りました。
寂聴さんは、お仕事や人付き合いも続けているし、若いスタッフが身近にいて、表面的な生活ぶりは、ほとんどの高齢者とは違いますが、「自分の選んだ生活がここにたどり着いている」という意味では、皆同じかな、とも思います。
”死に支度”なので、死についての部分が多く、両親や姉、親しい方々の死についても書かれています。大きな喪失感や、後悔、罪悪感などに襲われることもあっただろうに、それも人生の一コマと受け入れているからこそ、今でもお元気なのかな、と感じました。
自分の死を考えた時、「この散らかった書斎・・・」と物の処分が気になっているそうで、とても親近感がわきました。